专利摘要:
本発明は、生物活性物質および抗菌剤を含むコーティングを提供し、前記抗菌剤の濃度は、コーティングの厚みを通して変化する。
公开号:JP2011512957A
申请号:JP2010548897
申请日:2009-02-27
公开日:2011-04-28
发明作者:シレッシュ・シー・ジャニ;マーカス・エル・スコット;ル・ガン;ローラ・エス・ウィットシット
申请人:スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド;
IPC主号:A61L27-00
专利说明:

[0001] 本発明は、薬物送達および体を治療する組成物、より詳しくは体を治療する組成物を有する外科的インプラントに関する。]
背景技術

[0002] 生体物質を中心とする感染症は、特に関節全置換術において、一般的に再外科手術(revision surgery)の広まっている原因である。感染症による再外科手術は、リスクが大きく、侵襲的である。従来は、関節全置換術後に感染症が起きた場合、骨内部成長が細菌によって阻害され、原因であるインプラントを除去し、抗感染物質から構成された一時的なインプラントと交換しなければならない。この間、一時的な感染症に抗うインプラントは、典型的には無負荷で働くため、患者は長く病院に滞在し、または、そうでなければ、動けない状態にされる。いくつかの例において、患者は、感染症が止まるまで、ベッドまたは車椅子に数週間縛り付けられる。感染症が弱まった場合、一時的な感染症に抗うインプラントは除去され、その場所に再びインプラントが挿入される。この処置は、患者にとって時間および金銭の両方において犠牲が大きい。医療デバイスを挿入することに伴う感染症は、破壊的であり、痛みを伴い、長期の障害を引き起こし得る。感染症を治療することは、何万ものドルの費用がかかり得る。さらに、術後の感染症が起きた場合、外科医はより大きなリスクにさらされる。]
[0003] 従来、特定の予防措置が外科手術後の感染症を防ぐために行われている。例えば、感染症のリスクを低減するため、外科手術の前および後に、抗生物質が患者に与えられる。抗生物質は、典型的には、外科手術の開始の1時間以内に与えられ(たいてい手術室で1回)、短い間続けられ、続けて処置される。短い手術時間および最小の手術室(OR)の人の出入りは、さらに外科手術、例えば関節全置換術の処置または髄内くぎ固定の処置中の、感染症のリスクを低減する。OR内の効率を上げることによって、外科医は、生体構造がさらされている時間を制限することによって、感染症のリスクを効果的に低くすることができる。手術室の人の入室および退室の数を制限することも、感染症のリスクを低減させると考えられる。別の予防措置は、最新の殺菌技術を厳しく順守することである。しかし、前述の予防措置がとられているにも関わらず、外科手術後の感染症は、実在し、深刻な脅威のままである。]
[0004] 一般的に、2つのタイプの外科手術後の感染症が存在する。第一に、早い段階の感染症は、外科手術に続いて数週間以内に起こり、ときどき外科的な洗い出し(washout)および抗生物質の静脈内投与で治る。必要な外科的洗い出しの正確な期間は論争の余地があるが、典型的には約3から約8週の間である。しかし、一般的に、原因である整形外科のインプラントを除去することなしに感染症を治すことは、外科手術後の日が過ぎていくにつれて、ますます難しくなっていくことが認められている。第二に、遅い段階の感染症は、たいてい外科手術後、数ヶ月または数年後に起こり、ほとんど常に整形外科のインプラントの除去を必要とする。「抗生物質のスペーサー(antibiotic spacer)」が、隙間に置かれ、抗生物質の静脈内投与が患者に処される。遅い段階の感染症の患者は、整形外科のインプラントが交換される前に、少なくとも6週間、場合によってより長い間、抗生物質の静脈内投与(IV)を受ける。]
[0005] 整形外科の分野において、先行技術によって、インプラントを、感染症を防ぐ抗菌製品でコートする試みがされてきた(Rameshbabuらによる「Antibacterial Nanosized Silver Substituted Hydroxyapatite: Synthesis and Characterization」(2006); Chenらによる「In Vitro Anti-bacterial and Biological Properties of Magnetron Co-sputtered Silver-containing Hydroxyapatite Coating」(2006); Fengらによる「Antibacterial Effects of Ag-Hap Thin Films on Alumina Substrate」(1998)を参照)。]
[0006] 2004年4月13日にNucryst Pharmaceuticals Corp. of Alberta、Canadaに発行された米国特許第6719987号は、効果的かつ持続的な抗菌効果を備える、抗菌コーティングまたはパウダーについて論じている。この特許は、その全体が参照によって本明細書に援用される。]
[0007] 2004年4月22日に公開された米国出願公開2004/0074568 A1は、医療用インプラントと共有結合する、抗生物質などのメディエーターモジュール(mediator module)のためのアンカーモジュール(anchor module)について論じている。この出願公開の開示は、その全体が参照によって本明細書に援用される。]
[0008] 2006年12月21日に公開された米国出願公開2006/0286140 A1は、その表面と結合する治療用分子を有する医療用インプラントについて論じている。この出願公開の開示は、その全体が参照によって本明細書に援用される。]
[0009] In vitroの細胞培養研究は、低濃度の銀が感染症のリスクを低減し得ることを示してきた。したがって、多くの細菌の菌株において、多剤耐性の発現に伴い、低濃度における銀の強力な抗細菌性を有する新しい治療方法論が求められている。例えば、1992年9月29日に発行された米国特許第5151122号は、抗細菌の有効性を備えるため、銅、銀、または亜鉛のうちのいずれか1つをヒドロキシアパタイトコーティングに添加することを提案している。同様に、1993年11月30日に発行された米国特許第5266534号は、銀およびケイ素をHAコーティングに添加することを提案している。1994年9月20日に発行された米国特許第5348577号は、さらに、銀および亜鉛を抗細菌の目的のために添加することを提案している。1993年12月7日に発行された米国特許第5268174号は、亜鉛を有し、さらに骨形成促進(bone-stimulating)特性のためにフッ化物を含む、抗菌ヒドロキシアパタイトパウダー組成物を提案している。米国特許第5151122号、第5266534号、第5348577号および第5268174号は、4つ全体の一式が参照によって本明細書に援用される。]
[0010] 米国特許第6719987号
米国出願公開2004/0074568 A1
米国出願公開2006/0286140 A1
米国特許第5151122号
米国特許第5266534号
米国特許第5348577号
米国特許第5268174号]
先行技術

[0011] Rameshbabuら、「Antibacterial Nanosized Silver Substituted Hydroxyapatite: Synthesis and Characterization」、2006
Chenら、「In Vitro Anti-bacterial and Biological Properties of Magnetron Co-sputtered Silver-containing Hydroxyapatite Coating」、2006
Fengら、「Antibacterial Effects of Ag-Hap Thin Films on Alumina Substrate」、1998]
発明が解決しようとする課題

[0012] 本発明は、先行技術の問題の少なくとも1つを改善することを目的とするインプラントについて論じる。]
課題を解決するための手段

[0013] 本発明の一態様において、銀を含むカルシウム誘導体、好ましくは結晶化された、銀を含むリン酸カルシウムを調製するためのゾル-ゲルプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を含む:
(a)カルシウム前駆体と銀前駆体を混合し、均一なゾル-ゲル溶液を得る工程;
(b) 均一なゾル-ゲル溶液をエージング(aging)する工程; および
(c) 均一なゾル-ゲル溶液をか焼する工程。]
[0014] 本発明の一実施形態において、工程(a)は、さらに少なくとも1つのリン前駆体、フッ素前駆体、および/または炭酸前駆体を混合し、均一なゾル-ゲル溶液を得る工程を含む。]
[0015] 本発明の一実施形態において、工程(b)は、さらに、均一なゾル-ゲル溶液を、室温付近またはそれより高い温度でエージングする工程を含む。当業者は、エージングするために十分な時間をよく知っているが、一般的には、それは数日から2、3週間、例えば約8日間である。]
[0016] 本発明の一実施形態において、か焼工程(c)は、さらに、均一なゾル-ゲル溶液を、室温より高い温度でか焼する工程を含む。]
[0017] 本発明の一実施形態において、結晶化された、銀を含むリン酸カルシウムを調製するためのゾル-ゲルプロセスを提供し、このプロセスは以下の工程を含む:
(a)カルシウム前駆体、銀前駆体、リン前駆体、フッ素前駆体、および/または炭酸前駆体を混合し、均一なゾル-ゲル溶液を得る工程;
(b) 均一なゾルゲル溶液を、室温で約8日間エージングする工程; および
(c) 室温より高い温度でか焼する工程。]
[0018] 本発明の一実施形態において、リン酸カルシウムはヒドロキシアパタイトを含む。本発明の別の実施形態において、リン酸カルシウムはリン酸三カルシウムを含む。]
[0019] 本発明の一実施形態において、カルシウム前駆体は硝酸カルシウムを含み、銀前駆体は硝酸銀を含み、リン前駆体はリン酸二水素アンモニウムを含み、フッ素前駆体はフッ化アンモニウムを含み、および/または炭酸前駆体は炭酸アンモニウムを含む。]
[0020] 本発明の別の実施形態において、均一なゾル-ゲル溶液は、約0.1質量%から約10質量%、約0.1質量%から約7質量%、約0.1質量%から約5質量%、約0.5質量%から約3質量%、または約0.5質量%から約2質量%の濃度の銀前駆体を含む。本発明のさらに別の実施形態において、均一なゾル-ゲル溶液は、約0.001から0.1M、好ましくは約0.01Mの濃度のフッ素前駆体を含む。本発明の他の一実施形態によると、均一なゾル-ゲル溶液は、約0.004から0.4M、好ましくは約0.042Mの濃度の炭酸前駆体を含む。]
[0021] 本発明の別の実施形態によると、銀を含むリン酸カルシウム薄膜コーティングを医療用インプラントに塗布するための、ゾル-ゲル薄膜プロセスを提供し、このプロセスは以下の工程を含む:
(a)カルシウム前駆体、銀前駆体、リン前駆体、フッ素前駆体、および/または炭酸前駆体のうちの1つまたは複数を含む均一なゾル-ゲル溶液をインプラントにコートする工程; および
(b)薄膜をか焼する工程。]
[0022] 一実施形態において、コートする工程は浸漬する工程を含み、膜がか焼される前に、インプラントは溶液から引き上げられる。]
[0023] この態様の実施形態において、インプラントに好適なコーティングがされるための任意の好適な時間、例えば30秒間、インプラントを浸漬することができ、インプラントの引き上げを、均一なコーティングが達成される方法で、例えば約30cm/分の制御された速度で垂直にゾル-ゲル溶液から引き上げられる方法で行うことができ、および/または薄膜のか焼を、高温で行うことができる。]
[0024] 本発明の一実施形態において、インプラントにコートする工程は、インプラント上にゾル-ゲル溶液を少なくとも2層形成するために、インプラントを少なくとも2回浸漬する工程を含み、薄膜のか焼工程は、約50℃から約1000℃、約100℃から約400℃、約150℃から約250℃、約210℃で、約2分から1時間、約10分から約30分、約15分間、コートの間、空気中で熱処理する工程を含む。]
[0025] いくつかの実施形態において、薄膜のか焼工程は、約400℃の温度、空気中、約30分間の、最終の熱処理を含む。]
[0026] 本発明の別の実施形態において、銀を含むリン酸カルシウムの薄膜コーティングは、コーティング内に銀の濃度勾配を有し、コーティングは、外部のコーティング表面で高い銀濃度を有し、内部表面で低い銀濃度を有し、高い銀濃度は、銀の高濃度を有するゾル-ゲル溶液をインプラントにコートすることで達成され、低い銀濃度は、銀の低濃度を有するゾル-ゲル溶液をインプラントにコートすることで達成される。]
[0027] いくつかの実施形態において、薄膜コーティングの最外部の表面の銀濃度は、約2質量%から約10質量%、約2質量%から約7質量%、約2質量%から約5質量%、約2質量%であり、最内部の表面の銀濃度は、約0.1質量%から約2質量%、約0.1質量%から約1質量%、約0.4質量%である。]
[0028] いくつかの実施形態において、コートする工程は、単一の均一な銀濃度を有する2層の薄膜コーティングを得るために、ゾル-ゲル溶液にインプラントを少なくとも2回浸漬する工程を含み、単一の均一な銀濃度は、約0.4質量%または約2質量%のどちらかでもよい。]
[0029] いくつかの実施形態において、銀を含むリン酸カルシウムの薄膜コーティングの内部表面における減少した銀イオン放出は、最初のゾル-ゲル浸漬コーティング法によって達成され、外部表面における増加した銀イオン放出は、続けてインプラントを、室温で、例えば約24時間の間、フッ化銀または硝酸銀(10-3-10-4M)溶液に浸漬することによって達成される。]
[0030] 特定の一実施形態において、銀濃度プロファイルは、それぞれ異なるコーティング深さにおいて、少なくとも2つの異なる銀濃度を有する。]
[0031] 本発明のさらに別の実施形態において、鎮痛剤溶出コーティングを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を含む:
(a) 少なくとも1つの鎮痛剤を液体中に溶解し、均一な溶液を形成する工程;
(b) 銀を含むリン酸カルシウムでコートされたインプラントに均一な溶液をコート(例えば浸漬)し、鎮痛抗菌インプラントを形成する工程;
(c) 鎮痛抗菌インプラントを、例えば約20から30cm/minの制御された速度で、引き上げる工程; および
(d) 鎮痛抗菌インプラントを空気中で乾燥する工程。]
[0032] 本発明の一実施形態において、均一な溶液は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、これらの同等物、および/またはこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含む。]
[0033] 本発明のさらに別の実施形態において、均一な溶液はリン酸カルシウム溶液を含み、この溶液は以下のうちのいずれか1つまたは複数を含む:擬似体液(SBF)、改質された擬似体液、室温でアパタイトコーティングを形成することができるリン酸カルシウム溶液、および銀塩、例えば硝酸銀またはフッ化銀。]
[0034] 本発明の別の実施形態において、銀を含むリン酸カルシウムでコートされたインプラントは、例えば空気中で乾燥される前に、約24から48時間、均一な溶液に浸漬される。]
[0035] 本発明のさらに別の実施形態において、鎮痛剤は以下の局所麻酔薬(例えばブピバカイン)、麻薬性または非麻薬性鎮痛剤のうちの1つまたは複数から選択される:オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン(Percodan))、レボルファノール(レボドロモラン(levodromoran))、プロポキシフェン(ダルボン(Darvon))、およびペンタゾシン(タルウィン(Talwin)); または非麻薬性鎮痛剤、例えばアセチルサリチル酸(アスピリン(aspirin))、フェニルブタゾン(ブタゾリジン(Butazolidine))、インドメタシン(インドシン(Indocin))、アセトアミノフェン、およびフェナセチン。]
[0036] 本発明の別の実施形態において、鎮痛抗菌インプラントは、コーティング内に鎮痛剤濃度の勾配分布を有し、鎮痛剤濃度は、鎮痛剤の濃度が低い内部表面より、外部のコーティング表面付近で高い。]
[0037] 本発明の別の実施形態において、鎮痛抗菌インプラントは、外部の表面付近に麻薬性鎮痛剤および内部の表面付近に非麻薬性鎮痛剤を含む。]
[0038] 本発明の別の実施形態において、鎮痛剤濃度プロファイルは、それぞれ異なるコーティング深さにおいて、少なくとも2つの異なる鎮痛剤濃度を有する。]
[0039] 本発明のさらに別の態様において、鎮痛剤溶出コーティングを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは以下の工程を含む:
(a) 少なくとも1つの鎮痛剤を液体中に溶解し、均一な溶液を形成する工程であって、均一な溶液は、さらに、PLA、PLGA、PGA、PCL、これらの同等物、および/またはこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含み、均一な溶液は、場合によってさらに銀塩、例えば硝酸銀、フッ化銀、塩化銀および/またはこれらの組合せを含んでもよい、工程;
(b) 銀を含むリン酸カルシウムでコートされたインプラント(場合によって鎮痛剤を欠いていてもよい)を均一な溶液に浸漬し、鎮痛抗菌インプラントを形成する工程;
(c) 鎮痛抗菌インプラントを、例えば約20から30cm/minの制御された速度で、引き上げる工程; および
(d) 鎮痛抗菌インプラントを、例えば空気中で乾燥する工程。]
[0040] 本発明のさらに別の態様において、鎮痛剤溶出コーティングを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは以下の工程を含む:
(a) 少なくとも1つの鎮痛剤を液体中に溶解し、均一な溶液を形成する工程であって、均一な溶液は、さらにリン酸カルシウム溶液を含み、溶液は、以下のうちのいずれか1つまたは複数を含む工程:擬似体液(SBF)、改質された擬似体液、室温でアパタイトコーティングを形成することができるリン酸カルシウム溶液、および銀塩、例えば硝酸銀、フッ化銀、塩化銀およびこれらの組合せ;
(b) 銀を含むリン酸カルシウムでコートされたインプラント(場合によって鎮痛剤を欠いていてもよい)を均一な溶液に浸漬し、鎮痛抗菌インプラントを形成する工程;
(c) 鎮痛抗菌インプラントを、例えば約20から30cm/minの制御された速度で、引き上げる工程; および
(d) 鎮痛抗菌インプラントを、例えば空気中で乾燥する工程。]
[0041] インプラントのために、生物学的に活性な表面を提供し、活性な表面は銀で置換されたリン酸カルシウム(Ag-CaP)薄膜コーティングを含み、これは、第一の例において、実質的に人工関節周辺感染症(periprosthetic infection)のリスクを低減し、および/または第二の例において、実質的に発生している感染症を絶滅させることができる。]
[0042] いくつかの実施形態によると、生物学的に活性な表面における銀の抗菌効果に加えて、制御されたAg-CaPコーティングの溶解は、インプラントの設計(例えば内部成長構造)に応じた、より早い骨内部成長および/または骨表面成長のための、骨形成促進表面を同時に提供する。それゆえ、本発明は、感染症の可能性を低減すること、および骨結合(osseointegration)を促進することの両方により、患者に利益をもたらすことができる。]
[0043] 抗菌/抗細菌の薄膜コーティングの処方および/または組成物、ならびにこれらの塗布プロセスを提供する。このコーティングの組成物(つまりバルク物質)は、二相のリン酸カルシウム(例えば70%HAおよび30%β-TCP)を含む。銀、フッ化物、および/または炭酸は、さらに70%HA構造に、単独または組合せで組み込まれてもよく、銀、フッ化物、および/または炭酸で置換されたアパタイト物質を形成する。他の物質、例えば骨形態形成タンパク質(BMPs)、タンパク質、生物活性物、抗細菌物、または鎮痛剤は、有利には、これに制限されないが、コーティングの中または付近に用いられてもよいと理解されている。]
[0044] このような抗菌バイオセラミック(bioceramic)は、ゾル-ゲルプロセスを使用して調製されてもよい。薄膜コーティングは、好ましくはインプラントに浸漬コーティング法を使用して塗布され、多孔質の内部成長構造内の深くに浸透するか、代わりに1つまたは複数の層を、これに制限されないが、以下のプロセス:電着、プラズマスプレー、マグネトロンスパッタリング、ゾル-ゲル、静電気スプレー、および他の生体模倣技術を使用して塗布してもよい。]
[0045] いくつかの実施形態によると、多孔質の内部成長構造に抗菌/抗細菌コーティングを塗布する方法を提供する。]
[0046] いくつかの実施形態によると、勾配を含むヒドロキシアパタイトコーティングを提供し、この勾配は、インプラントとコーティングの界面から異なる距離における、様々な濃度の骨形成促進剤を含む。]
[0047] いくつかの実施形態によると、勾配を含むヒドロキシアパタイトコーティングを提供し、この勾配は、インプラントとコーティングの界面から異なる距離における、様々な濃度の抗菌/抗細菌剤を含む。]
[0048] いくつかの実施形態によると、勾配を含むヒドロキシアパタイト層を提供し、この勾配は様々な濃度の、抗菌/抗細菌剤、骨形成促進剤、溶解制御成分、結合強度増強成分、タンパク質、BMP、生物活性物、または鎮痛剤のいずれか1つまたは複数を含む。]
[0049] いくつかの実施形態によると、様々な組成物の少なくとも1つの勾配を含むインプラントのための抗菌コーティングを提供する。]
[0050] したがって、本発明の一実施形態において、以下を含む医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布するための、機能的に段階的な抗菌コーティングを提供する:
a. 本質的に骨伝導(bone conducting)物質からなるまたはこれを含む、1つ以上のコーティング層、および
b. 前記1つ以上のコーティング層のうちの少なくとも1層における抗菌剤であって、抗菌剤の濃度は少なくとも2層のコーティング層で異なるもの。]
[0051] 場合によって、骨伝導物質は、リン酸カルシウム物質、例えばヒドロキシアパタイトおよび/またはβリン酸三カルシウムであってもよい。]
[0052] 本発明の他の実施形態として、抗菌剤の濃度は、好ましくは内部のコーティング層より外部のコーティング層において高い。]
[0053] 場合によって、内部のコーティング層は、抗菌剤を含まなくてもよい。]
[0054] 一実施形態において、抗菌剤は、銀、銅、亜鉛、またはこれらのいずれかの組合せであるか、またはこれらを含む。銀が存在する場合、機能的に段階的なコーティング内の最大の銀の濃度は、約0.1から約10質量%、例えば約0.5から約3質量%の範囲である。]
[0055] 一実施形態において、抗菌剤は、バンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗生物質であるか、またはこれらを含む。代わりに、または追加で、抗菌剤は、アンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗真菌剤であるか、またはこれらを含む。代わりに、または追加で、抗菌剤は、アシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗ウイルス剤であるか、またはこれらを含む。]
[0056] 本発明のいくつかの実施形態において、抗菌剤に加えて、骨伝導コーティング層のうちの少なくとも1層は骨形成促進剤を含む。このような骨形成促進剤は、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(BMPなど)、生体模倣ペプチド、またはこれらのいずれかの組合せであり得る。]
[0057] 他の実施形態として、骨形成促進剤の濃度は、少なくとも2層のコーティング層で異なる。]
[0058] いくつかの実施形態において、コーティングは、さらに、少なくとも1つの層内に鎮痛薬剤を含む。鎮痛剤は、局所麻酔薬、例えばブピバカイン(例えばマーカイン(Marcain)、マルカイン(Marcaine)、センソルカイン(Sensorcaine)、およびビバカイン(Vivacaine))、麻薬性鎮痛剤、例えばオピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、およびペンタゾシン(タルウィン)であり得るか、またはこれらを含むことができ; および/または非麻薬性鎮痛剤、例えばアセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、およびフェナセチンなど、またはこれらのいずれかの組合せであるか、またはこれらを含む。]
[0059] 他の実施形態として、鎮痛薬剤の濃度は、少なくとも2層のコーティング層で異なることができる。]
[0060] 場合によって、両方のタイプの鎮痛剤が使用され、麻薬性鎮痛剤は外部表面、および非麻酔性鎮痛剤は内部表面に存在してもよい。]
[0061] 本発明の一実施形態において、鎮痛剤は、PLA、PLGA、PGA、PCL、これらの同等物、および/またはこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーをさらに含む層の中に含まれる。]
[0062] いくつかの実施形態において、カスタマイズされた生物学的に活性な表面を有するインプラントを提供する。例えば、インプラントは、金属過敏症を有する患者のために、金属イオンのより少ない放出を提供することに適した、勾配コーティングで被覆されていてもよい。別の例において、勾配コーティングは、さらに、患者の必要に応じて、一定の速度で素早く吸収される、または時間をかけて異なる速度で吸収されるように最適化されてもよい。]
[0063] 一実施形態において、少なくとも1つの表面を含む医療用インプラントを提供し、前記インプラントは前記少なくとも1つの表面のうちの少なくとも一部に位置したコーティングを有しており、前記コーティングは生物活性物質および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、インプラントとコーティングの界面からの距離で変化する。]
[0064] 場合によって、医療用インプラントは、複数の層を含むコーティングを有してもよく、抗菌剤の濃度は少なくとも2層のコーティング層において異なる。]
[0065] さらに、いくつかの実施形態において、抗菌剤の濃度は、インプラントの表面の近くより、遠くの方が高い。]
[0066] 一実施形態において、コーティングの複数の層が存在し、インプラントの少なくとも1つの表面付近に存在するーティングの層は、抗菌剤を含まない。]
[0067] 場合によって、抗菌剤は、銀、銅、亜鉛、またはこれらのいずれかの組合せであるか、これらを含む。]
[0068] 一実施形態において、コーティング内の最大の銀の濃度は、約0.1から約10質量%、または約0.5から約3質量%の範囲である。本明細書の開示では、用語「質量%」(wt%)は、インプラント+コーティングの全体の質量ではなく、コーティング、またはコーティングの層の質量%を表す。]
[0069] 他の実施形態において、抗菌剤は、バンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、またはこれらのいずれかの組合せを含む群から選択される抗生物質であるか、またはこれらを含む。]
[0070] 代わりに、または同様に、抗菌剤は、アンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗真菌剤であるか、またはこれらを含む。]
[0071] 代わりに、または同様に、抗菌剤は、アシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗ウイルス剤であるか、またはこれらを含む。]
[0072] いくつかの実施形態において、コーティング内の生物活性物質は、骨形成促進物質、例えばリン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石(brushite))、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト(monetite))、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト(whitlocktite)、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せである。]
[0073] 場合によって、骨形成促進物質には、カルシウム、ホスフェート、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(BMPなど)、生体模倣ペプチド、またはこれらの組合せが含まれてもよい。]
[0074] 本発明の実施形態によると、骨形成促進物質の濃度は、インプラントとコーティングの界面からの距離で変化する。]
[0075] 本発明の様々な実施形態において、骨形成促進物質は、ヒドロキシアパタイトおよび/またはβリン酸三カルシウムであり得る。]
[0076] 本発明のさらなる実施形態において、コーティングは、さらに鎮痛薬剤を含むことができる。場合によって、鎮痛薬剤は1つまたは複数の局所麻酔薬、例えばブピバカイン(例えばマーカイン、マルカイン、センソルカイン、およびビバカイン)、麻薬性鎮痛剤、例えばオピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、およびペンタゾシン(タルウィン); および/または1つまたは複数の非麻薬性鎮痛剤、例えばアセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、およびフェナセチンなど、またはこれらのいずれかの組合せを含んでもよい。]
[0077] 他の実施形態として、鎮痛薬剤の濃度は、インプラントとコーティングの界面からの距離で変化する。]
[0078] さらに、両方のタイプの鎮痛剤が使用される場合、麻薬性鎮痛剤は、好ましくはコーティングの外部表面に存在し、非麻酔性鎮痛剤は内部表面に存在する。]
[0079] 本発明の生物学的に活性なインプラント表面は、先行技術に対して大きな利点を提供する。第一に、インプラント表面は、一般的に、広範囲の細菌活性を阻害する。第二に、インプラント表面は、感染症が発生する場合、実質的に細菌活性を絶滅させる。第三に、いくつかの実施形態において、インプラント表面は、さらに、より速い骨内部成長および加速された骨結合を促進する。]
[0080] 生物学的に活性なインプラント表面は、いくつかの実施形態において、切除によるインプラントの部分的な曝露に対し、少なくとも部分的に保護されている。以前は抗菌/抗細菌/感染症を低減する薬剤の一部は移植の間に切除され、それにより細菌の攻撃を受けやすいインプラントが現れる被覆されていない部分となっていたため、これは先行技術に対する大きな改善である。本発明は、この問題を、インプラントとコーティングの界面付近の改善された結合特性を有する勾配HAコーティングを組み込むことによって解決することを目的とし、さらに、改善された感染症の抵抗性を示し、いくつかの実施形態において、骨結合を促進する。]
[0081] ゾル-ゲル浸漬コーティング法も提供される。ゾル-ゲル浸漬コーティング法は、ほとんどの見通せる(line-of-sight)プロセス、例えばプラズマスプレー、PVD、およびIBADなどと比較して費用効率が高いという利点を提供する。ゾル-ゲル浸漬コーティングは、その細孔充填能力による内部成長構造に使用するためにも好ましい。]
[0082] 本発明の一実施形態において、少なくとも1つの表面およびその上へのコーティングを有する医療用インプラントが提供され、前記コーティングは、1つまたは複数の層を含み、それぞれの層の界面における結合の強さは、インプラントとコーティングの界面からの距離で減少する。]
[0083] さらなる実施形態において、少なくとも1つの表面および前記少なくとも1つの表面を少なくとも部分的に被覆するコーティングを有する医療デバイスを提供し、コーティングは、コーティング内のそれぞれの薬剤の溶出速度が制御されるように構成されている。]
[0084] 本発明のさらなる実施形態において、外科手術処置後の感染症のリスクを低減するまたは防ぐ方法を提供し、前記方法は、外科手術の完了において、インプラントが処置の場所においてin situで保有される外科手術処置の間に、本明細書で開示された医療用インプラントを利用することを含む。]
[0085] 外科手術処置後の感染症のリスクの低減または防ぐために、本明細書で論じられたインプラントの使用も開示される。]
[0086] 本発明の一実施形態において、インプラントは、歯科、歯列矯正、整形外科の研究など、およびより大きな規模の、例えば関節置換術のために使用されることができる。]
[0087] 本発明のさらなる応用領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の特定の実施形態を示しており、例示のみを目的として意図されており、本発明の範囲を制限するように意図されたものではない。]
[0088] 本明細書に組み込まれ、一部を形成している添付する図は、本発明のいくつかの実施形態を例示し、書かれた記載と一緒に、本発明の原理、特徴、および特長のいくつかを説明する働きをする。]
図面の簡単な説明

[0089] 図1は、抗菌特性を有する先行技術の従来のインプラントの図である。
図2は、改善された抗菌および固定特性を有するインプラントの図である。
図3は、本発明のインプラントの別の実施形態である。
図4は、本発明のインプラントのさらに別の実施形態である。
図5は、経時の制御されたイオンおよび薬剤の放出速度のグラフである。
図6は、経時の制御されたイオンおよび薬剤の放出速度の別のグラフである。
図7は、経時の制御されたイオンおよび薬剤の放出速度のさらに別のグラフである。
図8は、抗菌特性を有する先行技術の従来のインプラントを使用する欠点の実例である。
図9は、本発明のインプラントを使用する、1つの見込まれる利点の実例である。
図10は、インプラントのコーティング内の、結合の強さの勾配を示す。
図11は、少なくとも1層の不連続層を有するインプラントの実施形態の図である。
図12は、図11の別の視点の図であり、少なくとも1層の不連続層を有する実施形態を示す。
図13は、薬剤の抗菌効果を決定するプロセスを示す。
図14は、少なくとも1つの鎮痛剤を利用する本発明の例示的な実施形態の図である。
図15は、本発明の勾配コーティングのさらなる実施形態の図である。
図16は、銀で改質されたベータ-TCPおよびブピバカインを含む、PLGAコーティング上部の低い倍率の図である。
図17は、銀で改質されたベータ-TCPおよびブピバカインを含む、PLGAコーティング上部の高い倍率の図である。
図18は、本発明の別の実施形態の図である。
図19は、PLGAコーティング上の、PLGAビーズの低い倍率の上面図である。
図20は、PLGAコーティング上の、PLGAビーズの高い倍率の上面図である。
図21は、PLGAコーティングの高い倍率の図である。
図22(a)および(b)は、9日後に引き抜かれたインプラント(ウサギ#1Aからの低いAgで改質されたリン酸カルシウムでコートされたインプラント)のSEM画像である。
図23(a)および(b)は、9日後に引き抜かれたインプラント(ウサギ #1AからのAgで改質されていないリン酸カルシウムでコートされたインプラント)のSEM画像である。
図24(a)および(b)は、9日後に引き抜かれたインプラント(ウサギ #1Bからの高いAgで改質されたリン酸カルシウムでコートされたインプラント)のSEM画像である。
図25(a)および(b)は、9日後に引き抜かれたインプラント(ウサギ #1BからのAgで改質されていないリン酸カルシウムでコートされたインプラント)のSEM画像である。
図26は、「低い」S-CP、9日後の後方散乱SEMである。(サンプル4A右)。多孔質のコートの領域内に鉱化された組織(骨)(矢印)の小さな領域。点線はサイトドリル後のホスト骨の位置を示す。
図27は、「高い」S-CP、9日後の後方散乱SEMである。(サンプル5B左)。多孔質のコートの領域内に鉱化された組織(骨)(矢印)の小さな領域。点線はサイトドリル後のホスト骨の位置を示す。
図28は、「対照」(CPなし)、9日後の後方散乱SEMである。(サンプル5B右)。多孔質のコートの領域内に鉱化された組織(骨)(矢印)の小さな領域。
図29は、「低い」S-CP、16日後の後方散乱SEMである。(サンプル9C右)。多孔質のコート深さ全体を通して、広範囲の骨内部成長。点線は初期のドリルされた骨の境界を示す。
図30は、「高い」S-CP、16日後の後方散乱SEMである。(サンプル8D右)。多孔質のコート深さ全体を通して、広範囲の骨内部成長。点線は推定される初期のドリルされた骨の境界を示す。
図31は、「対照」(CPなし)、16日後の後方散乱SEMである。(サンプル2C左)。多孔質のコート深さ全体を通して、骨内部成長; 初期のドリルされた骨の境界を特定することは困難。
図32(a)および(b)は、9日後の焼結された多孔質のコートされたTi6Al4Vの「対照」インプラント-(a)および(b)サンプル5B右-青-緑で染色された部分は骨である(古いおよび新しく形成された)。区域の厚さにより、いくつかの骨は染色効果を示さず、灰色に見える。少量の線維組織がいくつかの領域(矢印)の界面付近に存在する。
図33(a)および(b)は、被膜層に「低い」S-CPを有する9日後の焼結された多孔質のコートされたTi6Al4Vインプラント-(a)サンプル8A左、(b)サンプル4A右-(b)において、ドリルによる広範囲の元の骨の損失(および場合によっていくつかの骨のダイバック)が、先を切り取られた骨小柱によって明らかである。
図34(a)および(b)は、被膜層に「高い」S-CPを有する9日後の焼結された多孔質のコートされたTi6Al4Vインプラント-(a)&(b)サンプル8B左-高い倍率の画像および低い倍率の画像の両方において、サイト調製(ドリル)による広範囲の骨の損失、および場合によって続けて骨のダイバック((b)内の点線)を示す。それにもかかわらず、好適な圧入が、界面域内および多孔質のコート(矢印)内の早い骨の形成を達成した。
図35(a)および(b)は、16日後の焼結された多孔質のコートされた「対照」Ti6Al4Vインプラント-(a)&(b)サンプル2C左-多孔質のコートを通して広範囲の新しい骨形成および内部成長(青-緑で染色された領域)。
図36(a)および(b)は、被膜層に「低い」S-CPを有する16日後の焼結された多孔質のコートされたTi6Al4Vインプラント-(a)&(b)サンプル9C右-広範囲の新しい骨形成および内部成長。[サンプルの包埋のアーチファクト(気泡)が(a)に見られる]。
図37(a)および(b)は、被膜層に「高い」S-CPを有する16日後の焼結された多孔質のコートされたTi6Al4Vインプラント-(a)&(b)サンプル8D右-インプラントの長さに沿って優れた骨内部成長。
図38は、黄色ブドウ球菌に対する対数減少によって測定した抗菌活性を示す。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18
[0090] 描かれた実施形態の以下の記載は、本来、単に例示するものであって、本発明、その用途、または使用を制限することを意図していない。]
[0091] 添付する図を参照すると、図1は先行技術のコートされたインプラント(900)を表す。ヒドロキシアパタイトコーティング(920)が、通常インプラントの基材(910)に塗布されており、そこへ従来の方法で焼結されている。このようなコーティングは、抗菌効果のために、ヒドロキシアパタイトと銀添加物との混合物の層(912)を含んでもよい。銀添加物は、均一ではなく、HA格子の結晶構造内に組み込まれる。] 図1
[0092] 図2から4を参照すると、組成物の勾配のあるコーティング(20)を有するインプラント基材(10)を有するインプラント(5)を提供する。勾配は、一般的に、異なる化学的/物質的な組成物を有する、少なくとも2つの部分から構成される。勾配は、インプラントとコーティングの界面付近のコーティングの結合の強さを増強するために作られてもよく、または、勾配は、コーティング(20)内の感染症を低減する薬剤が、内部表面(12、14)より外部表面(18)においてより広く行き渡るように作られてもよい。例として、コーティング(20)は、抗菌のヒドロキシアパタイトコーティングであってもよい。インプラント基材(10)は、任意の数の生体適合性物質から構成されてもよい。例として、インプラント基材(10)は、先行技術において知られている生体適合性物質、例えばコバルト、クロム、ジルコニウム、チタン、ステンレススチール、セラミック、PEEK、ポリウレタンなどから選択されてもよい。当業者は、他の好適な基材物質を制限なく利用してもよいことに気づくだろう。] 図2
[0093] コーティング(20)は、第一の組成物を有する第一の層(12)、および第二の組成物を有する少なくとも1つの他の第二の層(14)を含む。いくつかの実施形態において、第一の層(12)は、改善された結合特性および圧入の間の切除/剥離に対する抵抗性のために、インプラント基材(10)の物質とより適合性のある組成物で形成されてもよい。例えば、第一の層(12)は、実質的に純粋なHAから構成されてもよい。代わりに、他の実施形態において、第一の層(12)は、第二の層(14)より高い骨形成促進剤の含有量を有する組成物で形成されてもよい。このような骨形成促進剤は、これに制限されないが、フッ化物、カルシウム、BMPs、タンパク質、骨空洞充填剤(bone void fillers)、吸収性物質、および生物活性物のうちのいずれか1つまたは複数であってもよい。]
[0094] 他の実施形態において、感染症の最大のリスクは、一般的に、外科手術後、最初の数週間以内に発生するため、第一の層(12)より多くの感染症を低減する薬剤を有する組成物の第二の層(14)を提供することが望ましい。そうすることで、コーティング(20)は抗細菌剤の戦略的な「時間放出(time-release)」を提供し、初期の骨の再形成の間、最大の抗感染症効果を提供する。このような感染症を低減する薬剤は、以下のうちのいずれか1つまたは複数から選択されてもよい: 銅、亜鉛、銀、金、抗菌効果を有する他の金属、または抗細菌物、例えばバンコマイシン。他の物質が使用されてもよいことは理解されるべきである。]
[0095] 炭酸または他の溶解制御物質の添加物を、経時のHAコーティング(20)の逐次分解速度を制御するための所定の量において、それぞれの層に加えてもよい。例えば、外部の層(14)は素早く吸収および劣化することが望ましく、それにより骨の界面付近の銀イオンが大量放出し、外科手術後の最も危機的な日の間の感染症を撃退し、阻害する。内部の層(12)は、早期の術後回復後のあまり危機的でない期間の間、維持および感染症予防の目的ために、in vivoの銀イオンのより遅く、劇的ではない放出を達成するために、低い炭酸含有量を備えてもよい。さらに、外科手術後すぐの骨の再形成において、いくらか遅れが存在するため、内部の層(12)は、外部の層(14)より多くの骨の成長を促すための添加剤を備えてもよい。]
[0096] いくつかの実施形態において、コーティング(20)は、感染症に対抗するために、経時でイオンの放出を選択的に制御する方法を提供する。コーティング(20)は、生物学的固定および内部成長を改善するために、経時で骨形成促進剤の曝露および放出を選択的に制御してもよい。さらに、コーティング(20)は、移植の間にコーティングのいくらかが切除された場合でも、確実に全体のインプラントがコートされたままにするために、抗菌コーティングの犠牲的な層を備えていてもよい。よって、コーティング(20)は、感染症の脅威なしに発生する、骨の内部成長/表面成長/生物学的固定の全部を提供してもよい。]
[0097] ここで図3および4を参照すると、少なくとも3つの層(12、14、16、18)から構成される抗菌コーティング(20)を備えた基材(10)を有するインプラント(15)を提供する。それぞれの層(12、14、16、18)は、異なる組成物から構成されていてもよく、またはこれらの層は代わりの組成物で形成されていてもよい。いくつかの実施形態において、それぞれの層(12、14、16、18)は、感染症を防ぐ、またはさもなければ外科的移植の間または後に形成された細菌を殺すという点で有効な抗菌および/または抗細菌剤の量を有している。さらに、それぞれの層(12、14、16、18)は、最適な含有レベルの骨形成促進剤を備えていてもよい。] 図3
[0098] 抗菌コーティング(20)のそれぞれの層(12、14、16、18)は、インプラント基材(10)の任意の部分に塗布されてもよい。基材(10)はコア物質であってもよく、または基材(10)は、コア物質と結合した類似あるいは異種物質の別々の内部成長構造であってもよい。このような内部成長構造は、これに制限されないが、多孔質構造、焼結ビーズ、非球形の焼結粒子、金属の網状発泡構造、繊維金属メッシュ、多孔質プラズマスプレーなどのうちの1つまたは複数であってもよい。]
[0099] 層(12、14、16、18)を基材に塗布する方法は、変化してもよい。許容される塗布方法のいくつかの例は、溶融めっき(hot-dipping)、電着、プラズマスプレー、マグネトロンスパッタリング、ゾル-ゲル、静電気スプレー、および低温溶液析出の生体模倣技術である。当然のことながら、塗布方法は本発明の勾配コーティングの層の間で代わってもよい。例えば、ゾル-ゲル浸漬プロセスが第一の内部の層(12)を塗布するために使用されてもよく、電着が第二の層(14)を塗布するために使用されてもよく、プラズマスプレーが第三の層(16)を塗布するために使用されてもよい。当然のことながら、任意の数の層(12、14、16、18)は、抗菌および骨形成促進剤の最適な放出を提供するために、コーティング(20)内に組み込まれてもよい。]
[0100] コーティング(20)の濃度勾配は、個々の層(12、14、16、18)を形成するために、続けて異なる溶液を基材(10)に塗布することによって達成されてもよく、それぞれの層は溶液の単一の塗布に対応し、層(12、14、16、18)のうちの少なくとも2層は、異種の濃度の、骨形成促進剤、感染症を低減する薬剤、薬剤の制御された放出のための触媒、または他の物質、例えばタンパク質、BMP、生物活性物、抗生物質、または鎮痛剤のうちのいずれか1つまたは複数を有する。例えば、銀または亜鉛の含有量は、内部の層(12)より外部の層(18)において高くてもよく、平均の銀または亜鉛の含有量は、間の任意の中間層(14、16)を超えて、徐々に濃度が変化する。同様に、タンパク質または炭酸の含有量は、内部の層(12)より外部の層(18)において高くてもよく、低くてもよい。さらに、所望の場合、フッ化物の含有量は、外部の層(18)から内部の層(12)にかけて、徐々に増加してもよい。]
[0101] ここで図5から7を参照すると、感染症を低減するイオンの、経時の所定の放出速度は、有利には、患者へのイオンの過剰曝露を避けるために制御され、さらに感染症に対する最大の防御を提供する。このような所定の放出速度は、内部成長および長期間のイオン放出を損なうことなく感染症を防ぐ点において最大の効果を備えるために、単純な実験を用いて最適化されてもよい。骨誘導剤の所定の放出速度は、さらに、感染症のリスクが術後すぐの期間と比較して低減される場合、外科手術後の数日、増やすように設計されてもよい。] 図5
[0102] 図5を見ると、抗菌剤(22)の初期イオン放出速度は、十分な抗感染症特性を提供するために必要な、最小の初期イオン放出速度(32)よりも大きいことが分かる。例えば、数値名(22)は、HAコーティング(20)の外部の層(18)の銀イオン放出速度を表し、数値名(32)は、効率的に細菌を殺し、感染症を低減し、および/または将来の感染症を防ぐために必要な最小の初期銀イオン放出速度を表す。抗菌剤(22)の初期イオン放出速度は、外科手術の間および直後に存在する任意の細菌を殺すための、「大量放出」を提供するために示された通り、高くてもよい。抗菌剤(22)のための初期イオン放出速度は、その後、感染症予防の維持および新しい細菌の形成を防ぐために、より低く、より安全なイオン放出速度(24)まで、経時で低下する。コーティング(20)の最も低い放出速度(24)は、少なくとも外科手術に続く期間、低減された感染症のリスクを維持するために必要な、最小のイオン放出速度(32、34)より大きいか、同じのままであることが好ましい。この最小のイオン放出速度(32、34)は、患者が特定の外科手術の間に曝露するリスクのある細菌群のための、最も高い、最小阻害濃度(MIC)値を見つけることによって決められてもよい。MICは、一般的に、終夜培養した後の特定の微生物の目に見える成長を阻害する、抗菌剤の最も低い濃度として本明細書で定義される。本発明の勾配コーティング(20、80、120、2000)のうちの1つまたは複数の層(12、14、16、18)において存在してもよい抗菌剤の濃度は、好ましくはその細菌に対応する最大のMICよりも高い。放出速度(22、24)は、確実に患者が重金属イオンまたは他の抗細菌剤にさらされすぎないために、ヒト毒性レベル(54)より低いままであることが好ましい。世界の異なる地理的な位置で行われる外科手術は、異なる術後の感染症を起こす細菌群を有し、それゆえ、勾配コーティング(20)内の抗菌剤のタイプおよびレベルは、それに従い変化してもよい。] 図5
[0103] 全ての放出速度は、一般的に、HAコーティング(20)内の濃度勾配を代えることによって制御されてもよいことが理解されるべきである。イオン放出期間は、(1)炭酸または他の溶解触媒を使用して、HAの分解を加速すること; (2) コーティング(20)内の層(12、14、16、18)の厚さを減らすこと; (3) コーティング(20)内の層(12、14、16、18)の数を減らすこと; および/または、(4)初期の大量放出(22)後すぐに薬剤の放出が減るように、層の間の薬剤の濃度変化を増すことによって、短くなってもよい。]
[0104] 抗菌剤に加えて、骨促進剤、例えばフッ化物およびカルシウムが提供されてもよい。参照数値(42)は、骨結合を促進する骨形成促進剤の、初期の放出速度を示す。この初期の放出速度(42)は、個々の患者の要求に応じて高くても低くてもよい。図5に例示した実施形態において、骨形成促進剤の放出速度は、初期速度(42)から維持速度(44)にかけて増加し、一定のレベルで骨結合を促進するために、その点で安定する。] 図5
[0105] 図6および図7は、経時の最も好ましいコーティング添加物の代わりの放出速度を示す。図6は一実施形態を示しており、これは骨促進剤が初期に速い速度(42)で放出され、さらに速い速度(46)まで増加し、その後下がって維持速度(44)で安定する。図7は別の実施形態を示しており、これは骨促進剤の放出速度(42、44)が常に抗菌剤の放出速度(22、24)よりも速い。例えば、勾配コーティング(20)の外部の層(18)は、フッ化物の骨形成促進剤(42)の大量放出速度を初期に提供し、これは銀イオンの抗菌剤(22)の初期の放出速度より速い。上記で記載した通り、抗感染症剤(22、24)の最も低い放出速度は、感染症のリスクを低減するために十分な最小放出速度(32、34)より大きいか、または同じままであることが好ましい。骨促進剤、抗菌剤、および/または抗細菌剤以外の基材が、HAコーティング(20)のいずれか1つの層(12、14、16、18)に存在してもよいことが理解される。それゆえ、追加の制御可能な放出速度(示さない)を利用してもよいことが予想される。] 図6 図7
[0106] 図8を参照すると、図1に示した先行技術のコーティングは、骨構造(例えば調製された大腿管内に移植された大腿骨ステム)内に移植された場合、銀添加物が層(912)の結合の強さを弱めるため、インプラント基材の切除に対して弱い。骨(950)は、インプラント(900)に合った傷のために好適な骨表面(952)を形成するために調製される。通常、セメントレス固定のために、骨表面(952)は、初期の安定を提供するためのインプラント(100)に合った干渉圧力を提供するために、寸法が決められる。インプラント(900)は、一般的に、コア基材(960)および単一の組成物のコーティング(962)、例えば銀添加剤を有するヒドロキシアパタイトコーティングからなる。インプラント(900)が骨(950)に挿入される場合、インプラントのコーティング(962)は、せん断の影響を受けやすい。せん断は、コーティング(962)からいずれかの物質(966)がコア基材(960)から除去される場合、コア基材(960)の一部(964)がさらされたままになり、感染症の影響を受けやすいため、不利である。さらに、コーティング(962)がないままのコア基材(960)のいずれかの部分(964)は、その部分(964)におけるヒドロキシアパタイトの欠如により、低減された骨内部成長を示すかもしれない。] 図1 図8
[0107] 図9を見ると、勾配コーティング(80)を有するコートされたインプラント(100)は、従来のコーティングを使用する先行技術のインプラントより、改善された抗菌および骨結合の特徴を有することが示された。図9に示された勾配コーティング(80)は、インプラント(100)のインプラント基材(82)に塗布され、一般的に異なる組成物で形成された少なくとも2つの層(84、88)を含む。いくつかの実施形態において、外部の層(88)は、少なくとも1層の内部の層(84)より金属含有量が多い。しかし、他の実施形態において、少なくとも1層の内部の層(84)は、外部の層(88)と同じか、より多い金属含有量を示してもよい。金属は、銀、亜鉛、銅、または抗菌効果を有する他の知られている金属から選択されてもよい。さらに、抗生物質、例えばバンコマイシンおよび/またはペニシリンを利用してもよい。] 図9
[0108] 少なくとも1層の内部の層(84)は、金属を含まなくてもよく、または外部の層(88)と異なる金属を含んでもよい。例えば、少なくとも1層の内部の層(84)は、低濃度の亜鉛を含んでもよく、一方、外部の層(88)は、より低い、同じ、またはより高い濃度の別の金属、例えば銀を含んでもよい。代わりに、外部の層(88)は、第一の亜鉛および銀濃度を含んでもよく、一方、少なくとも1層の内部の層(84)は、第二の銀および/または銅濃度を示してもよい。異なる勾配コーティング(80)の配置が可能であり、当業者は、個々の基準で患者の要求を満たすために、添加物、および勾配コーティング(20、80)のそれぞれの層(12、14、16、18、84、88)の組成物を容易に変更することができる。少なくとも1層の内部の層(84)は任意の数の層を含み、そのそれぞれは、同様のまたは異なる組成物ならびに/あるいは添加物を有する。]
[0109] 少なくとも1層の内部の層(84)および/または外部の層(88)は、さらに少なくとも1つの骨形成促進剤、例えばフッ化物またはカルシウムを含む。少なくとも1層の内部の層(84)内の骨形成促進剤の濃度は、外部の層(88)より高くても、同じでも、または低くてもよい。しかし、少なくとも1層の内部の層(84)は、外部の層(88)より骨形成促進剤の濃度が高いことが好ましい。]
[0110] 外部の層(88)は、有利には、少なくとも1層または複数の内部の感染症を低減する層(84)が、移植後にインプラント基材(82)と結合されたままであるようにするための保護層として利用されてもよい。例えば、コートされたインプラント(100)は、初期の安定性を備えるために、調製された骨(50)の表面(52)に圧入されてもよい。圧入は、通常は、調製された骨の表面(52)と干渉適合を形成するために、インプラント(100)を詰め込むことによって達成される。たびたび、調製された骨の表面(52)はインプラントと近い、またはインプラントよりわずかに小さい寸法であるため、少なくともいくつかのコーティング物質(87)は、外部の層(88)から切除またはずれる可能性があり、それにより、非常に薄いまたは外部の層(88)のない、外部の層の欠けた領域(83)を形成する。本発明の1つの特有の態様は、コーティングが勾配コーティング(80)として形成されるため、少なくとも1つの外部の層の欠けた領域(83)は、感染症に抵抗性のある特性および/またはより高い結合の強さの特徴を有する、少なくとも1層の内部の層(84)の基礎となることによって保護されていることである。任意のずれた物質(87)は、「バリア」として働き、細菌が骨とインプラントの界面(52)に入ることを防ぎ、および/または局所固定を促進する。]
[0111] 本発明の別の1つの特有の形態は、内部の層(84)は、インプラント基材(82)との改善された結合の特徴を有する組成物で作成されてもよいことである。「最初の防御」の保護抗菌層として最外部の層(88)を使用し、バックアップ抗菌層として少なくとも1層の内部の層(84)を使用することは、細菌の形成を防ぐまたは殺すために必要な抗菌特性を有する100%被覆のインプラント基材(82)を維持したまま、移植の間の切除のためにいくらか余裕を持たせることができる。この点において、勾配コーティング(80)は、結合の強さの勾配を含んでもよく、コーティング組成物は徐々に最外部の表面(88)からインプラント基材(82)にかけて結合の強さが増加し、最も強い結合の強さは、好ましくはコーティングと基材の界面(117、図10)において達成される。この結合の強さの勾配は、インプラント基材(110)の物質と最も適合する、少なくとも1層の内部の層(84)を、基材に添加することによって達成されてもよい。このような基材の添加物は、独立に、抗菌剤、骨形成促進剤、および/または本明細書で論じられた溶解触媒を制御されてもよい。代わりに、インプラントとの優れた結合の特徴を有することが知られている物質、例えば純粋なHAが、インプラント基材(110)と最も近い層(112)に利用されてもよい。] 図10
[0112] 図10は、結合の強さの勾配の、4つの可能な例を例示する。示された通り、勾配コーティング(20、80、120)の平均の結合の強さは、一般的に、コーティング深さとともに増加してもよい。これにより、いくつかの外側のコーティングのずれは、インプラント基材(110)に触れることなく起きる。例えば、勾配コーティング(120)の外側に近い表面(115)のコーティング組成物の結合の強さは、基材または内部成長構造(110)のインプラントとコーティングとの界面(117)より弱くてもよい。言い換えれば、層(112)および(114)は、インプラントとコーティングの界面(117)における結合を最適化するため、層(116)および(118)より、基材(110)の物質と強い結合の特徴を有する組成物を含んでもよい。上記で詳細を議論した通り、内部の層(112、114)は、インプラント基材または内部成長構造(110)との改善された骨結合のために、層(116、118)より高い濃度の骨形成促進剤が配置されていてもよい。外部の層(116、118)は、高い濃度のイオン生成抗菌物、例えば銀、亜鉛、または銅ベースの成分を含んでもよい。] 図10
[0113] ここで、図11および12を参照すると、多層の勾配抗菌コーティング(2000)内のいずれかの層(1002、1004、1006、1008)は、不連続層の部分(1007)を含んでもよい。例えば、コーティング(2000)の外側の層(1008)は、層の部分(1007)から形成された不連続の「斑点状の(speckled)」コーティングを含んでもよい。これらの層の部分(1007)は、コーティング(2000)内に、戦略的に配置されてもよく、それぞれの層の部分(1007)の阻害領域(1003)が重なっている(1005)。こうした場合、コーティング(2000)内に使用される抗菌剤および/または抗細菌剤の量は減少し、それにより、感染症に対する十分な保護を維持したまま、患者の曝露が最小化される。層の部分(1007)を提供することは、さらに、コーティング(2000)の表面のテクスチャ(texture)/粗さを増加する。] 図11
[0114] (合成)
抗菌バイオセラミック勾配コーティングは、ゾル-ゲルプロセスを使用して調製されてもよい。少なくとも3つの銀濃度が、使用するために調製され、評価され、いずれか1つ層(12、14、16、18)の最小の好ましい銀含有量を決定した。それぞれの銀濃度は、Ag/Ca比に基づいて計算され、これは0.1、0.01、または0.001であった。他の銀含有量は、広範囲の銀濃度を含めるために選択され、十分な抗細菌効果を有し、しかし組織細胞、例えば骨芽細胞を阻害または殺さない高さの、コーティング内の最小の銀含有量が決定された。銀濃度の最適な範囲は、in vitroおよびin vivoの両方の結果に基づいて決定された。所与の銀濃度の抗菌の有効性を試験するために、等量(0.05g)の5つのパウダー(それぞれのパウダーは異なる銀濃度を有する)を、黄色ブドウ球菌性菌症に対する最小殺菌濃度(MBC)試験において、試験した。結果は、全ての銀を含むパウダーは、細菌を殺すおよび防ぐ点において、少なくとも何らかの活性があった。等量の銀濃度を有するパウダーは、同様のMBCを示した。]
[0115] 表1を参照すると、サンプル2および4の銀濃度はサンプル1および3の銀濃度より、約20倍高かった。これは、MBCにおいて、サンプル1および3のMBCより、サンプル2および4は約4倍高い結果となった。全ての例において、約0.1%以上の銀濃度を有するパウダーは、105cfu/mlにおいて黄色ブドウ球菌性菌症を殺すことができると考えられた。]
[0116] ]
[0117] 図13は、サンプルパウダーの試験に使用されたプロセスを例示する。細菌を列ごとにそれぞれのウェルに加える。サンプルの2倍に薄めた希釈物を、培養液中に懸濁させる。トレイを終夜培養する。それぞれのウェルからのサンプルを、寒天プレートの上に置く。サンプルを再び終夜培養する。MBCをそれぞれのサンプルに対して特定する。] 図13
[0118] 好ましくは、Ca/P比を、70%のHAおよび30%のβ-TCPの二相のリン酸カルシウム(BCP)を調製するため、1.60に保つ。しかし、この比は異なる二相のHA/β-TCP組成物を得るために変化してもよいことが理解される。β-TCPは、一般的に、骨内部成長を加速するカルシウムイオンを提供するため、初期の骨治療プロセスの間、望ましい。]
[0119] 銀に加えて、鉱化および速い骨結合を好都合に促進することが知られている、フッ化物イオン/フッ素を作るため、フッ化物もHA組成物に組み込んでもよい。フッ化物は、コーティング内に単独で導入されてもよく、コーティングはフッ化物のみの濃度勾配を有するか、またはフッ化物は、本明細書で開示された他の成分および薬剤と組み合わせてコーティング内に導入されてもよい。好適なフッ化物濃度は、F-/PO43-比(0.2である)に基づいて計算されてもよい。さらに、炭酸官能基がHA構造に加えられてもよく、炭酸官能基は、好ましくは、戦略的に、Ag、Ca、およびFイオンを最適に放出するように、HA構造を不安定にし、分解するように設計される。この点において、炭酸官能基は、一般的に、Ag、Ca、およびFイオンのin vivoの放出速度を制御するための機構として働く。炭酸含有量は、CO32-/PO43-比(1である)に基づいて計算されてもよいが、この含有量は変化してもよい。]
[0120] 特定の一実施形態において、抗菌薄膜コーティングの合成を含む方法の工程には、最初に、硝酸カルシウムおよび硝酸銀を脱イオン化蒸留水に溶解し、第一の溶液(DDH2O)を形成する工程が含まれる。次に、リン酸二水素アンモニウムを第一の溶液(DDH2O)に溶解し、第二の溶液を形成する。適切な量のフッ化アンモニウムおよび炭酸アンモニウムを、その後、続けて別のリン酸二水素アンモニウム溶液に溶解し、第三の溶液を形成する。濃縮された水酸化アンモニウムが、第二および第三の溶液の両方のpHレベルを約11に上げるために使用される。第二の硝酸カルシウムベースの溶液を、ゆっくりと第三のリン酸二アンモニウムベースの溶液に、激しく攪拌しながら加える。ゾル-ゲル溶液を24時間攪拌し、その後、室温で2日間エージングする。このエージングした溶液を、その後、薄膜浸漬コーティングを介して塗布するか、または抗菌パウダーにおける使用のために調製する。]
[0121] (浸漬コーティング)
好ましくは、抗菌コーティングを利用するインプラントは、ゾル-ゲル溶液内に浸漬され、その後、徐々に制御された速度で垂直に引き上げられる。一実施形態において、引き上げ速度は、約30cm/minであるが、この速度は所望の厚さを備えるために速くまたは遅くしてもよいことに注意すべきである。引き上げ速度の調整に加えて、コーティングの厚さを、ゾル-ゲル溶液の全体の粘度を変えることによって制御してもよい。任意の数の浸漬が必要とされ、合計3から4回の浸漬が好ましいコーティングの厚さである約1から2μmを作ることが示された。]
[0122] (熱処理)
薄膜コーティングは、真空炉、空中マッフル炉(in-air muffle furnace)、または先行技術において知られている任意の他の同等の焼結のための装置を使用して、インプラントに焼結されてもよい。好ましくは、約400から800℃の温度で約10から30分間行われるが、他の温度および時間がコーティングの組成物およびその厚さに応じて必要とされてもよい。焼結後、炉は室温まで冷却される。結晶化度、および/または再吸収速度に影響を与えるコーティング組成物は、焼結温度を変化させることによって制御されてもよい。例えば、低い焼結温度は、一般的に、より分解しやすいコーティングをもたらし、二相のリン酸カルシウムは、約750℃より高い温度でのみ成長することができる。]
[0123] 本発明を実施する多くの異なる実施形態が存在する。]
[0124] 一実施形態において、抗細菌薄膜コーティングが提供され、抗菌バイオセラミックパウダーによってインプラントに塗布される。このような抗菌バイオセラミックパウダーを生成するため、エージングしたゾル-ゲル溶液を、約90℃で、約48時間乾燥し、その後約400から800℃の間で、約1から2時間焼結した。焼結後に得られた基材を、その後、細かくしてパウダーにし、ふるいにかけ、異なる用途のために、サイズによって分類した。いくつかの例において、より粗いパウダーが、密度の高いバルクの抗細菌バイオセラミックまたは多孔質足場を作るために使用されてもよい。他の例において、より細かいパウダーが、有利には、プラズマスプレーされたHAコーティングのための供給パウダーとして使用されてもよい。抗菌バイオセラミックパウダーは、多くの価値ある用途を有し、多くの形態になってもよい。]
[0125] 別の実施形態において、感染症の低減および生物学的固定の促進のために作られた、医療用インプラントのためのコーティングが提供され、抗菌コーティングは勾配を含む。このような勾配は、例えば、コーティングが深くなるにつれて、組成物の変化、または少なくとも1つの物質の含有量の変化を含んでもよい。1つの特定の例において、抗菌コーティングは、コーティングの外側の部分においてより高濃度の銀添加物を有することによって、骨とコーティングの界面において初期の抗菌剤の大量放出を提供してもよい。]
[0126] 別の例において、抗菌コーティングは、最適に骨内部成長および生物学的固定を促進するために、経時で所定の制御されたフッ化物の放出を提供してもよい。]
[0127] さらに別の例において、抗菌コーティングは、持続した予防レベルのイオン放出を提供し、このレベルは有効な抗細菌効果を有するために必要な最小レベルより多いか、等しい。]
[0128] さらに別の実施形態において、痛み軽減物(pain reducer)または鎮痛剤の濃度勾配を有するインプラントのためのコーティングを提供する。勾配は、痛み軽減物または鎮痛剤の初期の大量放出のために作られてもよく、続いて痛み軽減物または鎮痛剤の放出が遅くなるが、実際の放出速度は個々の患者または患者の人々の小集団の要求に対処するために変化してもよい。このような、コーティング内の痛み低減成分の勾配は、単独または本明細書で論じた他の勾配、成分、または薬剤と組み合わせて存在してもよい。痛み軽減物または鎮痛剤は、当技術分野でよく知られているいずれか、例えばオピオイドおよび/または非ステロイド系抗炎症薬(NTHES)であってもよい。]
[0129] 以下の本発明の実施形態のリストは、本発明の様々な特長を開示するものとして考えられ、これらの特長は論じている特定の実施形態に特有のものと考えることができ、他の実施形態において記載された他の様々な特長と組み合わせることができる。したがって、単に特定の一実施形態で論じられた特長は、その実施形態の特長の使用に制限される必要はない。]
[0130] (実施形態1)
本発明の一実施形態において、リン酸カルシウムを有する抗菌コーティングおよびコーティング内の少なくとも1つの金属、例えば銀、亜鉛、銅の含有量の勾配分布が提供される。少なくとも1つの金属含有量は、コーティングの外部表面において高く、内部表面において低くてもよい。この金属勾配-CaPコーティングは、インプラントを続けて異なるゾル-ゲル溶液に浸漬することによって達成されてもよく、それぞれの溶液は異なる金属濃度の勾配を有する。金属勾配リン酸カルシウムコーティングには、単相のリン酸カルシウム、例えばHAが含まれてもよく、および/または多相のリン酸カルシウム、例えば二相のリン酸カルシウムが含まれてもよい。ゾル-ゲルプロセスを使用する利点は、コーティングがいずれの部分もコートされないままにならずに、多孔質の内部成長構造に塗布されることである。少なくとも1つのゾル-ゲルプロセスが好ましく、当技術分野において知られている、他の主要なまたは続きのプロセスを使用してもよい。]
[0131] (実施形態2)
本発明の別の実施形態において、金属基材、例えば銀、亜鉛、銅など、およびリン酸カルシウム、例えばHA、TCP、Ag-CaPなどは、様々な層を含む複合抗菌コーティングを形成するために組み合わされる。複合コーティングは、プラズマスプレーを使用してインプラントに塗布されてもよいが、本明細書で論じた他のプロセスを使用してもよい。金属基材は、リン酸カルシウムパウダーと一緒に混合され、同時にインプラント表面に一緒にスプレーされるパウダーの形態であってもよい。代わりに、金属基材およびリン酸カルシウムパウダーは、個々に、層ごとに、インプラント表面に塗布されてもよい。それぞれの塗布される層の順番は、個々の患者の要求に最良の溶液を提供するために、あらかじめ決められている。プラズマスプレーされたコーティングの勾配は、金属基材パウダーおよびリン酸カルシウムパウダーを、異なる速度でホッパー(hopper)に供給することによって完成させられ、最終のコーティング内に金属含有量勾配が得られる。代わりに、インプラントは様々な別々のプラズマスプレープロセスを受けてもよく、それぞれのプロセスは、あらかじめ混合された金属およびリン酸カルシウムパウダーの異なる組成物を使用する。]
[0132] (実施形態3)
本発明のさらに別の実施形態において、抗菌リン酸カルシウムコーティングが提供され、このコーティングは少なくとも1つの金属、例えば銅、銀、亜鉛などを有する。抗菌コーティングは、さらに、分解プロファイルの勾配を含む。言い換えると、コーティングの外部の層は、コーティングの内部の層より速い分解速度を有してもよい。このような溶解速度プロファイルは、コーティングの外側の部分を素早く分解させるために用いられてもよく、それにより抗菌剤の大量放出が引き起こされる。分解プロファイルの勾配を完成させるために、外部の層はより分解しやすいリン酸カルシウムを利用してもよく、一方内部表面の層はより安定なリン酸カルシウムを利用してもよい。多相(または層)のリン酸カルシウムがコーティング内に使用されるため、使用されるリン酸カルシウムのいくつかは、その組成物中に金属を有していてもよく、有していなくてもよい。同様に、コーティング層内に使用されるリン酸カルシウムのいくつかは、骨誘導成分を有していてもよく、有していなくてもよい。しかし、感染症と争うために必要な抗細菌機能を備えるために、少なくとも1つのリン酸カルシウム相が、金属、例えば銀を有していることが好ましい。生物学的固定を促進するために、少なくとも1つの骨形成促進剤が、コーティング層のうちの少なくとも1層内に含まれていることが、さらに好ましい。コーティングの外部の部分は素早く再吸収することが好ましく、コーティングは代わりに初期のゆっくりとした再吸収、その後素早い再吸収を作ってもよい。これは、外部の層より内部の層に多くの炭酸を備えることによって達成されてもよい。]
[0133] (実施形態4)
本発明のさらに別の実施形態において、外部表面に吸着された金属または金属イオンを有するコートされたインプラントが提供される。外部表面は、移植後すぐに、感染症を防ぎ、存在する任意の細菌を殺すために、骨とインプラントの界面における金属イオン放出を増加させるために作られる。インプラント上の金属イオンが豊富な外部のコーティングは、1つまたは複数の層を形成するために、最初にインプラントをリン酸カルシウム内に浸漬することによって形成されてもよい。1つまたは複数の層は、前に論じた通り、金属、例えば銀、亜鉛、または銅を含んでもよく、または含まなくてもよく、骨形成促進剤または溶解触媒を含んでもよく、または含まなくてもよい。コートされたインプラントは、その後、最終的に金属が相溶している溶液、例えば硝酸銀またはフッ化銀に浸漬され、コートされたインプラントの外部の表面上に金属イオンを吸着させ、コートされたインプラントの外部表面の金属濃度を増加させる。特定の一実施形態において、銀が相溶している溶液が、有利には、コーティングの外部表面において、増加した濃度の銀イオンを有する外部表面の層を形成するために利用されてもよい。代わりに、金属が溶けていない溶液が、コーティングの外部の表面に金属を備えるために使用されてもよい。この後者の例において、リン酸カルシウムでコートされたインプラントは最初に金属が溶けていない溶液に浸漬される。一度金属が溶けていない溶液がコートされたインプラントの外部表面に吸収されると、その後、インプラントは金属が溶けていない溶液から除去され、光にさらされる。光への曝露は外部の表面における吸収された金属イオンを金属に還元する。]
[0134] (実施形態5)
さらに別の実施形態において、本発明の多層勾配抗菌コーティングには、1つまたは複数の不連続層部分が含まれてもよい。例えば、多層勾配抗菌コーティングの外部の層は、層部分から形成される不連続の「斑点状の」コーティングを含んでもよい。これらの層部分は、戦略的に、多層勾配抗菌コーティング内に配置されてもよく、それぞれの層部分の阻害部が重なる。こうした場合、多層勾配抗菌コーティングにおいて使用される抗菌剤および/または抗細菌剤の量は減少し、それにより、感染症に対する十分な保護を維持したまま、患者の曝露が最小化される。層部分を提供することは、さらに、多層勾配抗菌コーティングの表面のテクスチャ/粗さを増加する働きをしてもよい。]
[0135] (実施形態6)
本発明の別の実施形態において、鎮痛剤濃度勾配を有するコーティングが提供される。コーティングは、好ましくはリン酸カルシウム(CaP)を含むが、当業者に知られている他の基礎コーティング物質も同様に用いられる。鎮痛剤濃度は、好ましくはコーティングの内部の部分より、コーティングの外部表面の部分において高く、それは、(1)外科手術後すぐの患者に最大限の軽減を提供するため、および(2) より低く、安全な用量を維持し、長期の低減を提供するため、である。]
[0136] このような鎮痛剤勾配CaPコーティングは、様々なコーティング技術を使用して形成されてもよい。しかし、多孔質表面のインプラントのためには、見通せない(non-line-of-sight)コーティングプロセスが好ましい。このような見通せないコーティングプロセスの例には、これに制限されないが、ゾル-ゲル浸漬コーティング、電着、電気泳動、生体模倣法、および/またはこれらの組合せが含まれる。例えば、鎮痛剤濃度勾配は、最初に、コートされたインプラントを形成するために純粋な薄膜リン酸カルシウム層を移植表面に塗布することによって形成されてもよい。この層は、ゾル-ゲル浸漬コーティング法を使用して塗布されてもよく、その後、コーティングとインプラントの界面で十分な結合の強さを達成するために高温で焼結することによって硬化される。コートされたインプラントは、その後、リン酸カルシウムと、第一の濃度の少なくとも1つの鎮痛薬剤の両方を含む第一の溶液に浸漬されてもよい。]
[0137] 第一の溶液は、擬似体液(SBF)溶液、改質された擬似体液、またはインプラント表面上にアパタイトコーティングを形成することができる任意の溶液であってもよい。第一の溶液のコーティング堆積プロセスを加速するために、昇温することが好ましい(例えば焼結する)が、昇温は少なくとも1つの鎮痛薬剤を変性させないようにすることが重要である。所望の場合、このプロセスは、少なくとも1つの鎮痛薬剤の濃度勾配を有するコーティングを形成するために、他の濃度の少なくとも1つの鎮痛薬剤を有する追加の第二、第三、および第四の溶液に繰り返してもよく、勾配はインプラント表面と垂直の方向に広がる。他の添加剤がコーティング内に存在してもよいことが理解され、添加剤はコーティング深さを通して均一濃度または濃度勾配であってもよい。添加剤には、抗菌剤、骨促進剤、抗生物質、ステロイド、抗炎症物、抗痙剤、生物活性物(例えばBMP、ビスホスホネート)、止血剤、または本明細書で論じられたいずれかの他の薬剤が含まれる。]
[0138] 本明細書で記載された鎮痛剤は、本来、局所麻酔薬、麻薬性または非麻薬性のどれかであってもよい。局所麻酔薬の例は、ブピバカイン(例えばマーカイン、マルカイン、センソルカイン、およびビバカイン)である。有利に利用されてもよい麻薬性鎮痛剤のいくつかの例は、オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、ヒドロコドン(Vicodin)、ペンタゾシン(タルウィン)および/またはこれらの組合せである。有利に利用されてもよい非麻薬性鎮痛剤のいくつかの例は、アセチルサリチル酸(アスピリン)、イブプロフェン、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、フェナセチン、およびこれらの組合せである。鎮痛剤は局所的であってもよく、イブプロフェンまたはジクロフェナクを含むゲル、カプサイシン、リドカイン、抗炎症物、およびステロイドが、制限なく、含まれてもよい。]
[0139] 当然のことながら、他の鎮痛剤が、有利には、組み合わせることによる不利な反応を避ける限り、単独または組合せのどちらかで利用されてもよい。好適な鎮痛剤の例には、これに制限されないが、天然のアヘンアルカロイド、例えばモルヒネ、アヘン、ヒドロモルフォン、ニコモルヒネ、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジアモルヒネ、パパベレタム、モルヒネの組合せ、ジヒドロコデインの組合せ、精神安定剤を除くコデインの組合せ、および精神安定剤とコデインの組合せ;ケトベミドン、ペチジン、フェンタニル、精神安定剤を除くペチジンの組合せ、精神安定剤とペチジンの組合せを含むフェニルピペジリン誘導体;ジフェニルプロピルアミン誘導体、例えばデキストロモラミド、ピリニトラミド、デキストロプロポキシフェン、ベジトラミド、精神安定剤を除くメタドンの組合せ、精神安定剤を除くデキストロプロポキシフェンの組合せ; 精神安定剤とデキストロプロポキシフェンの組合せ;ベンゾモルファン誘導体、例えばペンタゾシンおよびフェナゾシンならびにこれらの組合せ;オリパビン誘導体、例えばブプレノルフィン;モルフィナン誘導体、例えばブトルファノールおよびナルブフィン;鎮痙剤と組み合わせたオピオイド、例えばモルヒネと鎮痙剤、ケトベミドンと鎮痙剤、ペチジンと鎮痙剤、ヒドロモルフォンと鎮痙剤、およびこれらの組合せ; 他のオピオイド、例えばチリジン、トラマドール、デゾシン、トラマドールの組合せ、およびこれらの組合せ;サリチル酸および誘導体を含む他の鎮痛剤および解熱剤、例えばアセチルサリチル酸、アロキシプリン、サリチル酸コリン、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サルサレート、エテンザミド、サリチル酸モルフォリン、ジピロセチル、ベノリレート、ジフルニサル、サリチル酸カリウム、グアセチサール、カルバサラートカルシウム、サリチル酸イミダゾール、およびこれらの組合せ;ピラゾロン、例えばフェナゾン、メタミゾール、アミノフェナゾン、プロピフェナゾン、ニフェナゾン、およびこれらの混合物;アニリド、例えばパラセタモール、フェナセチン、ブセチン、プロパセタモール、およびこれらの組合せ; 他の鎮痛剤および解熱剤、例えばリマゾリウム、グラフェニン、フロクタフェニン、ビミノール、ネホパム、フルピリチン、ジコノチド;コルチコステロイド誘導体、例えばフルメドロキソンおよびこれらの組合せが含まれる。]
[0140] 上記のいずれか1つまたは複数の鎮痛剤は、勾配コーティング内に使用される。鎮痛剤は、インプラント表面と垂直に広がる方向において、濃度が変化してもよい。麻薬性鎮痛剤と非麻薬性鎮痛剤が一緒に使用される場合、麻薬性鎮痛剤が外部のコーティングの部分に使用され、非麻薬性鎮痛剤が内部のコーティングの部分に使用されることが好ましい。非麻薬性鎮痛剤は、一般的に、炎症(例えば関節炎)による骨格痛を軽減する点において有効であると認識されており、これらの鎮痛特性は、麻薬性鎮痛剤、例えばモルヒネおよび合成オピオイドほど強くない。患者によって経験される痛みは、関節全置換術または移植されたデバイスを含む他の外科手術の直後が最も激しいため、より強い鎮痛剤、例えばモルヒネがコーティングの外部表面に備えられていてもよく、より強い鎮痛剤は、好ましくはコーティングとインプラントの界面に近づくにつれて、コーティングの外部の表面から濃度が下がる。こうした場合、患者は添加物の影響を受けにくく、外科手術後に必要とされるが、長期の回復の間必要とはされない、高い初期の用量から、本質的に「引き離される」。]
[0141] 治療プロセスが続くにつれ、患者によって経験される痛みは激しいおよび/または顕著ではなくなってくる。それゆえ、勾配コーティングは、勾配コーティングの内部の部分において、より弱い鎮痛剤を用いてもよい。これらのより弱い鎮痛剤は、勾配の形態において提供されてもよく、一般的に、コーティングの外側の部分からコーティングとインプラントの界面に向けて濃度が増加する。]
[0142] 主に勾配コーティングの外部の部分において麻薬性鎮痛剤が提供される別の理由は、麻薬性の薬は、通常の骨治療プロセスおよび骨結合を阻害または遅延する、血小板の凝集を防ぐためである。内部のコーティング部分は、よりインプラント表面および/または内部成長構造と近いため、それゆえ、血小板の凝集との干渉を避けるため、非麻薬性鎮痛剤または非常に低用量の麻薬性鎮痛剤のどちらかを有する、これらのコーティング部分を備えることが望ましい。]
[0143] 鎮痛薬剤の勾配の間にいくつかの重なりを有することが可能である。勾配は、交互になっていてもよく、個々の患者または人々の小集団のために設計された、あらかじめ決められた痛みの管理計画において、滑らかで制御された推移を備えるために、用量が変化してもよい。あらかじめ決められた痛みの管理計画は、例えば、インプラントのための規定の一部として含まれる。]
[0144] 麻薬性および非麻薬性鎮痛剤がコーティング内に一緒に使用された場合、インプラントは、優れたインプラントの結合の強さ、密着、および内部成長の特徴を得るために、最初に、上記で論じられた方法で、純粋なリン酸カルシウム(CaP)でコートされてもよい。コートされたインプラントは、その後、リン酸カルシウム、第一の濃度の非麻薬性鎮痛剤、および第一の濃度の麻薬性鎮痛剤を含む第一の溶液に浸漬されてもよい。第一の溶液は、本明細書に記載されたいずれかの方法で塗布されてもよい。2回塗布されたインプラントは、その後、リン酸カルシウム、第二の濃度の非麻薬性鎮痛剤、および第二の濃度の麻薬性鎮痛剤を含む第二の溶液に浸漬されてもよい。]
[0145] 上記で述べた通り、麻薬性鎮痛剤の第二の濃度は、麻薬性鎮痛剤の第一の濃度より高いことが好ましい。反対に、非麻薬性鎮痛剤の第二の濃度は、非麻薬性鎮痛剤の第一の濃度より低いことが望ましい。このプロセスは、コーティング内により細かい勾配を作るために、繰り返し行われてもよい。]
[0146] 他の添加物がコーティング内に存在してもよいことが理解され、添加物はコーティング深さを通して均一濃度または濃度勾配の形態である。添加物には、抗菌剤、骨促進剤、抗生物質、ステロイド、抗炎症物、鎮痙剤、生物活性物(例えばBMP、ビスホスホネート)、止血剤、または本明細書で論じられたいずれかの他の薬剤が含まれる。]
[0147] (実施形態7)
本発明の別の実施形態において、勾配コーティングは、最初に、前述の技術のうちいずれか1つを使用して、インプラントまたは内部成長構造をリン酸カルシウムでコートすることによって提供される。本明細書で前に述べた通り、純粋な薄膜リン酸カルシウム層は、コーティングとインプラントの界面に存在することが好ましく、勾配コーティングの結合の強さが改善される。一回コートされたインプラントは、その後、第一の濃度の少なくとも1つの鎮痛薬剤を含む、第一の生分解性ポリマー溶液に浸漬される。]
[0148] ポリマー溶液は、最初に少なくとも1つの生分解性および/または生体適合性ポリマー、例えばPCL、PLGA、PLLA、PGAなど、またはこれらの組合せを溶媒中に溶解させ、その後、あらかじめ測定された量の少なくとも1つの鎮痛薬剤を添加することによって調製される。インプラントが第一の生分解性ポリマー溶液に浸漬された後、空気中で乾燥される。第一の生分解性ポリマー溶液の溶媒の蒸発を速めるまたは促進するために、室温での真空処理が有利には利用されてもよい。コーティング内のポリマーは、形成されたコーティングにおいて、少なくとも1つの鎮痛剤のための担体として働く。所望の場合、追加の第二、第三、および第四などのポリマー溶液が続けて提供されてもよく、それぞれのポリマー溶液は異なる濃度の少なくとも1つの鎮痛薬剤を有し、勾配コーティング内で別の層を形成する。ポリマー以外の多数の鎮痛薬剤および好適な担体が、本発明の範囲から離れることなく、それぞれの溶液内に存在してもよい。]
[0149] 1996年10月22日に発行された米国特許第5567431号は、非晶質ポリ乳酸マトリクス中に均一に分散された抗生物質を開示している。前記出願公開の開示は、その全体が参照によって本明細書に援用される。]
[0150] 上記で記載した通り、多数の添加物がコーティング内に存在してもよく、添加物はコーティング深さを通して均一濃度または濃度勾配において提供される。添加物には、抗菌剤、骨促進剤、抗生物質、ステロイド、抗炎症物、鎮痙剤、生物活性物(例えばBMP、ビスホスホネート)、止血剤、または本明細書で論じられたいずれかの他の薬剤が含まれる。]
[0151] (実施形態8)
本発明のさらに別の実施形態において、インプラントのためのコーティングが提供され、コーティングはインプラント表面に隣接した第一の層を有する。第一の層には、第一の低濃度の抗菌剤を有する薄膜リン酸カルシウム(CaP)が含まれる。この第一の層は、追加の添加物、例えば鎮痛剤、生物活性物、または骨形成促進剤を含んでもよく、焼結なしにインプラントの基材物質との最適な密着および結合の強さを提供するため、少量の抗菌物が存在することが好ましい。第二の層は、その後、第一の層の上に提供され、第二の層は、好ましくは生体模倣リン酸カルシウム、第一の層よりわずかに高い第二の濃度の抗菌剤、生物活性物(例えばBMP)、および長期の痛み軽減および/または炎症を低減するための非麻薬性薬剤を含む。最後に、第三の外部の層は、第二の層の上に提供され、第三の外部の層は、生体模倣リン酸カルシウム、第一および第二の層よりさらに高い濃度の抗菌剤(術後すぐの感染症抵抗のため)、第二の層と同様のまたはより低い濃度の生物活性物(例えばBMP)、およびすぐの、高い有効性の痛み軽減のための麻薬性薬剤(例えばオピオイド)を含む。]
[0152] (実施形態9)
図14を見ると、本発明のさらに別の実施形態が提供される。数値名(1010)は、基材物質、例えばチタン、チタン合金、コバルト-クロム、ジルコニウム、ステンレススチール、または当技術分野において知られている任意の他の生体適合性金属から形成される、インプラントまたは内部成長構造を表す。勾配コーティング(1020)はインプラント(1010)に塗布され、勾配コーティング(1020)は、最初に、純粋なヒドロキシアパタイトの薄膜の内部の層(1012)を有する。この層(1012)は、一般的に、インプラント(1010)の物質との結合の強さの特性を下げる添加物を含まず、勾配コーティング(1020)のための「下塗り」として考えられてもよい。第一の層(1012)は、従来のセラミック点火法によってインプラント(1010)に焼結されてもよい。第二の層(1014)も提供され、この層は、好ましくは、かなりの濃度の骨形成促進剤(例えばフッ化物)、非麻薬性鎮痛剤(例えばアスピリン)、および低用量の生物活性物(例えばBMPまたはビスホスホネート)を含む。第二の層は、第一の層に焼成されてもよく、または焼成されなくてもよいが、好ましくは、添加物の最初の特性を維持するために、焼成されない。] 図14
[0153] 第三の層(1016)がさらに提供されてもよく、第三の層(1016)は、例えば、適度な濃度の抗菌物(例えば銀、亜鉛、または銅)、第二の層(1014)より低い用量の非麻薬性鎮痛剤、第二の層(1014)より高い濃度の骨形成促進剤、および低用量の麻薬性鎮痛剤を有する。第二の層(1014)と同様に、第三の層(1016)はセラミック焼成以外の方法によって塗布されてもよい。第四の層(1018)は、例えば、ポリマーベースの担体コーティングであってもよく、第三の層(1016)より高いレベルの抗菌物、第三の層(1016)より高い用量または濃度の麻薬性鎮痛剤、および第二の層(1014)および第三の層(1016)の両方より低い用量の骨形成促進剤を含んでもよい。]
[0154] <機能的に段階的な抗菌コーティング>
(実施形態10)
本発明の第10の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0155] (実施形態11)
本発明の第11の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記複数のコーティング層の外部は、前記複数のコーティング層の内部より、高い濃度の前記抗菌剤を有する。]
[0156] (実施形態12)
本発明の第12の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および前記複数のコーティング層の外部に配置された抗菌剤を含み、前記複数のコーティング層の内部は抗菌剤を含まない。]
[0157] (実施形態13)
本発明の第13の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は、銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、白金、およびこれらの組合せのいずれか1つから選択されてもよい。]
[0158] (実施形態14)
本発明の第14の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は、銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、白金、およびこれらの組合せのいずれか1つから選択されてもよく、機能的に段階的なコーティング内の最大銀濃度は、一般的に、約0.1から約10質量%の間、より好ましくは約0.5から約3質量%の間である。]
[0159] (実施形態15)
本発明の第15の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は抗生物質、例えばバンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、およびこれらの組合せである。]
[0160] (実施形態16)
本発明の第16の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は抗真菌物、例えばアンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、およびこれらの組合せである。]
[0161] (実施形態17)
本発明の第17の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は抗ウイルス物、例えばアシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、およびこれらの組合せである。]
[0162] (実施形態18)
本発明の第18の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも1層は骨形成促進物質を含み、前記骨形成促進物質は、カルシウム、ホスフェート、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(BMPなど)、生体模倣ペプチド、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、およびこれらの組合せのいずれかから選択されてもよく、前記骨形成促進物質の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なってもよい。]
[0163] (実施形態19)
本発明の第19の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも1層は鎮痛薬剤、例えば局所麻酔薬(例えばブピバカイン(例えばマーカイン、マルカイン、センソルカイン、およびビバカイン)、麻薬性薬剤(オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、ペンタゾシン(タルウィン))、非麻薬性薬剤(アセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、フェナセチン、およびこれらの組合せを含む。]
[0164] (実施形態20)
本発明の第20の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも1層は鎮痛薬剤を含み、前記鎮痛薬剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0165] (実施形態21)
本発明の第21の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層の外部は麻薬性鎮痛薬剤を含み、前記複数のコーティング層の内部は非麻薬性鎮痛薬剤を含む。]
[0166] (実施形態22)
本発明の第22の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、前記抗菌剤は、これに制限されないが、銀塩、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、トリフォリエート(trifoliate)銀、フッ化銀、酸化銀、水酸化銀、他の銀-「オキソ」種、スルファジアジン銀、スルファジアジン以外の他の安定配位子と銀の混合物、およびこれらの組合せを含む銀種を含む。]
[0167] (実施形態23)
本発明の第23の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せから選択されてもよい。]
[0168] (実施形態24)
本発明の第24の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、抗菌剤の濃度は、前記複数の層の内部における抗菌剤の濃度より、前記複数の層の外部において高い。]
[0169] (実施形態25)
本発明の第25の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層の外部に配置された抗菌剤を含み、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せから選択されてもよく、前記複数の層の内部は抗菌剤を含まない。]
[0170] (実施形態26)
本発明の第26の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せから選択されてもよく、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層の内部における抗菌剤の濃度より、前記複数の層の外部において高く、抗菌剤は、好ましくは銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、白金、およびこれらの組合せから選択される。]
[0171] (実施形態27)
本発明の第27の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せから選択されてもよく、抗菌剤の濃度は、前記複数の層の内部における抗菌剤の濃度より、前記複数の層の外部において高く、抗菌剤は、銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、白金、およびこれらの組合せから選択され、機能的に段階的なコーティング内の最大の銀濃度は、約0.1から約10質量%、より好ましくは約0.5から約3質量%の間の範囲である。]
[0172] (実施形態28)
本発明の第28の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は抗生物質、例えばバンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、およびこれらの組合せである。]
[0173] (実施形態29)
本発明の第29の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は、アンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、およびこれらの組合せから選択される抗真菌物である。]
[0174] (実施形態30)
本発明の第30の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、抗菌剤は抗ウイルス物、例えばアシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、およびこれらの組合せである。]
[0175] (実施形態31)
本発明の第31の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数の層のうちの少なくとも1層は骨形成促進剤、例えば炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(例えばBMP)、生体模倣ペプチド、およびこれらの組合せを含む。]
[0176] (実施形態32)
本発明の第32の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層、前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤、および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された骨形成促進剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨形成促進剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0177] (実施形態33)
本発明の第33の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数の層のうちの少なくとも1層は鎮痛薬剤、例えば麻薬性鎮痛剤(オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、ペンタゾシン(タルウィン))、非麻薬性鎮痛剤(アセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、フェナセチンなど)、およびこれらの組合せを含む。]
[0178] (実施形態34)
本発明の第34の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数の層のうちの少なくとも1層は鎮痛薬剤を含み、前記鎮痛薬剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0179] (実施形態35)
本発明の第35の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数の層の外部は麻薬性鎮痛薬剤を含み、前記複数の層の内部は非麻薬性鎮痛薬剤を含む。]
[0180] (実施形態36)
本発明の第36の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的な抗菌コーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記抗菌剤は、これに制限されないが、銀塩、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、トリフォリエート銀、フッ化銀、酸化銀、水酸化銀、他の銀-「オキソ」種、スルファジアジン銀、他の安定配位子と銀の混合物、およびこれらの組合せを含む銀種を含む。]
[0181] <機能的に段階的な骨形成促進コーティング>
(実施形態37)
本発明の第37の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0182] (実施形態38)
本発明の第38の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記複数のコーティング層の外部は、前記複数のコーティング層の内部より、高い濃度の前記骨形成促進剤を有する。]
[0183] (実施形態39)
本発明の第39の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および前記複数のコーティング層の外部に配置された骨形成促進剤を含み、前記複数のコーティング層の内部は骨形成促進剤を含まない。]
[0184] (実施形態40)
本発明の第40の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、骨形成促進剤は、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(例えばBMP)、生体模倣ペプチド、生物活性物、およびこれらの組合せから選択されてもよい。]
[0185] (実施形態41)
本発明の第41の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、骨形成促進剤は、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(例えばBMP)、生体模倣ペプチド、生物活性物、およびこれらの組合せから選択されてもよく、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗菌剤、例えば銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、および白金、ならびにこれらの混合物を含み、機能的に段階的なコーティング内の抗菌剤の最大濃度は、一般的に、約0.1から約10質量%の間、より好ましくは約0.5から約3質量%の間であってもよい。]
[0186] (実施形態42)
本発明の第42の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗生物質、例えばバンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、およびこれらの組合せを含む。]
[0187] (実施形態43)
本発明の第43の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗真菌物、例えばアンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、およびこれらの組合せを含む。]
[0188] (実施形態44)
本発明の第44の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗ウイルス物、例えばアシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、およびこれらの組合せを含む。]
[0189] (実施形態45)
本発明の第45の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗菌剤、例えば銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、および白金、またはこれらの混合物を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0190] (実施形態46)
本発明の第46の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも1層は、局所麻酔薬(例えばブピバカイン(例えばマーカイン、マルカイン、センソルカイン、およびビバカイン)、麻薬性(例えばオピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、ペンタゾシン(タルウィン))、または非麻薬性(例えばアセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、フェナセチン)、およびこれらの組合せであってもよい鎮痛薬剤を含む。]
[0191] (実施形態47)
本発明の第47の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも1層は鎮痛薬剤を含み、前記鎮痛薬剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なる。]
[0192] (実施形態48)
本発明の第48の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記複数のコーティング層の外部は麻薬性鎮痛薬剤を含み、前記複数のコーティング層の内部は非麻薬性鎮痛薬剤を含む。]
[0193] (実施形態49)
本発明の第49の実施形態によると、その表面に配置された機能的に段階的なコーティングを含む、1つまたは複数の表面を有する医療用インプラントが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、複数のコーティング層および骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層のうちの少なくとも2層で異なり、前記機能的に段階的なコーティングは、さらに、これに制限されないが、銀塩、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、トリフォリエート銀、フッ化銀、酸化銀、水酸化銀、他の銀-「オキソ」種、スルファジアジン銀、スルファジアジン以外の他の安定配位子と銀の混合物、およびこれらの組合せを含む銀種を含む。]
[0194] (実施形態50)
本発明の第50の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的なコーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨伝導物質は、場合によって、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せのいずれか1つまたは複数から選択されてもよい。]
[0195] (実施形態51)
本発明の第51の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的なコーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された骨形成促進剤を含み、骨形成促進剤の濃度は、前記複数のコーティング層の内部における骨形成促進剤の濃度より、前記複数の層の外部において高い。]
[0196] (実施形態52)
本発明の第52の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的なコーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層の外部に配置された骨形成促進剤を含み、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せの群から選択されてもよく、前記複数の層の内部は骨形成促進剤を含まない。]
[0197] (実施形態53)
本発明の第53の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的なコーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せの群から選択されてもよく、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗菌剤、例えば銀塩、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、トリフォリエート銀、フッ化銀、酸化銀、水酸化銀、他の銀-「オキソ」種、スルファジアジン銀、他の安定配位子と銀の混合物、銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、白金、およびこれらの混合物の濃度を含み、前記抗菌剤の濃度は、前記複数の層の内部における抗菌剤の濃度より、前記複数の層の外部において高い。]
[0198] (実施形態54)
本発明の第54の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的なコーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、骨伝導物質は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せの群から選択されてもよく、骨形成促進剤の濃度は、前記複数の層の内部より、前記複数の層の外部において高く、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗菌剤、例えば銀塩、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、トリフォリエート銀、フッ化銀、酸化銀、水酸化銀、他の銀-「オキソ」種、スルファジアジン銀、他の安定配位子と銀の混合物、銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、白金、およびこれらの混合物を含み、機能的に段階的なコーティングの前記複数の層のいずれか内の抗菌剤の最大濃度は、一般的に、約0.1から約10質量%の間、より好ましくは約0.5から約3質量%の間の範囲である。]
[0199] (実施形態55)
本発明の第55の実施形態によると、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布された機能的に段階的なコーティングが提供され、前記機能的に段階的なコーティングは、骨伝導物質の複数の層および前記複数の層のうちの少なくとも1層内に配置された骨形成促進剤を含み、前記骨形成促進剤の濃度は、前記複数の層のうちの少なくとも2層で異なり、機能的に段階的なコーティングは、さらに抗生物質、例えばバンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、およびこれらの組合せを含む。]
权利要求:

請求項1
少なくとも1つの表面を有する医療用インプラントであって、前記少なくとも1つの表面の少なくとも一部に位置するコーティングを有し、前記コーティングは生物活性物質および抗菌剤を含み、前記抗菌剤の濃度はインプラントとコーティングの界面からの距離で変化する、医療用インプラント。
請求項2
前記コーティングが複数の層を含み、抗菌剤の濃度が少なくとも2層のコーティング層で異なる、請求項1に記載の医療用インプラント。
請求項3
前記抗菌剤の濃度が、インプラントとコーティングの界面の近くより、インプラントとコーティングの界面から遠い方が高い、請求項1または2に記載の医療用インプラント。
請求項4
前記インプラントの少なくとも1つの表面に隣接したコーティングの層が、抗菌剤を含まない、請求項1から3のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項5
前記抗菌剤が、銀、銅、亜鉛、またはこれらのいずれかの組合せであるか、またはこれらを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項6
前記コーティング内の最大の銀濃度が、約0.1から約10質量%の範囲である、請求項5に記載の医療用インプラント。
請求項7
前記コーティング内の最大の銀濃度が、約0.5から約3質量%の範囲である、請求項6に記載の医療用インプラント。
請求項8
前記抗菌剤が、バンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、またはこれらのいずれかの組合せを含む群から選択される抗生物質であるか、またはこれらを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項9
前記抗菌剤が、アンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗真菌剤であるか、またはこれらを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項10
前記抗菌剤が、アシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗ウイルス剤であるか、またはこれらを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項11
前記生物活性物質が、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物、再吸収性ポリマー、バイオガラス、誘導体化リン酸ベースの化合物、オルトホスフェート、リン酸一カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム水和物(ブラッシュ石)、リン酸二カルシウム無水物(モネタイト)、リン酸三カルシウム無水物、ホワイトロックタイト、リン酸四カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、非化学量論性アパタイト、炭酸アパタイト、生物学的に誘導されたアパタイト、リン酸水素カルシウム、カルシウム水素アパタイト、水に不溶なセラミックス、ホスフェート、ポリホスフェート、炭酸、シリケート、アルミネート、ボレート、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、およびこれらの組合せといった骨形成促進物質である、請求項1から10のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項12
前記骨形成促進物質が、カルシウム、ホスフェート、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(BMPなど)、生体模倣ペプチド、またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項11に記載の医療用インプラント。
請求項13
前記骨形成促進物質の濃度が、インプラントとコーティングの界面からの距離で変化する、請求項11または12に記載の医療用インプラント。
請求項14
前記骨形成促進物質がヒドロキシアパタイトである、請求項11から13のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項15
前記骨形成促進物質がβリン酸三カルシウムである、請求項11から13のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項16
前記骨形成促進物質がヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物である、請求項11から13のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項17
前記コーティングがさらに鎮痛薬剤を含む、請求項1から16のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項18
前記鎮痛薬剤が、ブピバカイン(例えばマーカイン、マルカイン、センソルカイン、およびビバカイン)といった、1つまたは複数の局所麻酔薬;オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、およびペンタゾシン(タルウィン)といった、1つまたは複数の麻薬性鎮痛剤; および/またはアセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、およびフェナセチンなどといった、1つまたは複数の非麻薬性鎮痛剤; またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項17に記載の医療用インプラント。
請求項19
前記鎮痛薬剤の濃度が、インプラントとコーティングの界面からの距離で変化する、請求項17または18に記載の医療用インプラント。
請求項20
麻薬性鎮痛剤および非麻薬性鎮痛剤の両方のタイプの鎮痛剤が使用される場合、前記麻薬性鎮痛剤がコーティングの外部表面に存在し、前記非麻薬性鎮痛剤がコーティングの内部表面に存在する、請求項16から18のいずれかに記載の医療用インプラント。
請求項21
a. 本質的に骨伝導物質からなるか、またはこれを含む1層以上の層、およびb. 濃度が少なくとも2層のコーティング層内で異なる、前記1層以上のコーティング層のうちの少なくとも1層内の抗菌剤、を含む、医療用インプラントの1つまたは複数の表面に塗布するための機能的に段階的な抗菌コーティング。
請求項22
前記骨伝導物質がリン酸カルシウム物質である、請求項21に記載のコーティング。
請求項23
前記骨伝導物質がヒドロキシアパタイトである、請求項22に記載のコーティング。
請求項24
前記骨伝導物質がβリン酸三カルシウムである、請求項22に記載のコーティング。
請求項25
前記骨伝導物質がヒドロキシアパタイトとβリン酸三カルシウムの混合物である、請求項22に記載のコーティング。
請求項26
前記抗菌剤の濃度が、内部のコーティング層より外部のコーティング層において高い、請求項21から25のいずれかに記載のコーティング。
請求項27
前記内部のコーティング層が抗菌剤を含まない、請求項21から26のいずれかに記載のコーティング。
請求項28
前記抗菌剤が、銀、銅、亜鉛、またはこれらのいずれかの組合せである、請求項21から27のいずれかに記載のコーティング。
請求項29
前記機能的に段階的なコーティング内の最大の銀濃度が、約0.1から約10質量%の範囲である、請求項28に記載のコーティング。
請求項30
前記機能的に段階的なコーティング内の最大の銀濃度が、約0.5から約3質量%の範囲である、請求項29に記載のコーティング。
請求項31
前記抗菌剤が、バンコマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、マクロライド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗生物質であるか、またはこれらを含む、請求項21から27のいずれかに記載のコーティング。
請求項32
前記抗菌剤が、アンフォテリシンB、ナイスタチン、リポソーマルアンフォテリシンB、フルシトシン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗真菌剤であるか、またはこれらを含む、請求項21から27のいずれかに記載のコーティング。
請求項33
前記抗菌剤が、アシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、アマンタジン、インターフェロン、アジドチミジン、またはこれらのいずれかの組合せを含む抗ウイルス剤であるか、またはこれらを含む、請求項21から27のいずれかに記載のコーティング。
請求項34
抗菌剤に加えて、骨伝導コーティング層のうちの少なくとも1層が骨形成促進剤を含む、請求項21から33のいずれかに記載のコーティング。
請求項35
前記骨形成促進剤が、炭酸、フッ化物、ケイ素、マグネシウム、ストロンチウム、バナジウム、リチウム、成長因子(BMPなど)、生体模倣ペプチド、またはこれらのいずれかの組合せである、請求項34に記載のコーティング。
請求項36
前記骨形成促進剤の濃度が、少なくとも2層のコーティング層において異なる、請求項21から35のいずれかに記載のコーティング。
請求項37
さらに、少なくとも1層内に鎮痛薬剤を含む、請求項21から36のいずれかに記載のコーティング。
請求項38
前記鎮痛薬剤が、ブピバカイン(例えばマーカイン、マルカイン、センソルカインおよびビバカイン)といった局所麻酔薬;オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、およびペンタゾシン(タルウィン)といった麻薬性鎮痛剤; および/またはアセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、およびフェナセチンなどといった、1つまたは複数の非麻薬性鎮痛剤; またはこれらのいずれかの組合せであるか、またはこれらを含む、請求項37に記載のコーティング。
請求項39
前記鎮痛薬剤の濃度が、少なくとも2層のコーティング層で異なる、請求項37または38に記載のコーティング。
請求項40
麻薬性鎮痛剤および非麻薬性鎮痛剤の両方のタイプの鎮痛剤が使用される場合、麻薬性鎮痛剤が外部表面に存在し、非麻薬性鎮痛剤が内部表面に存在する、請求項37から39のいずれかに記載のコーティング。
請求項41
前記鎮痛剤が、さらにPLA、PLGA、PGA、PCL、これらの同等物、および/またはこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含む層内に含まれる、請求項37から40のいずれかに記載のコーティング。
請求項42
銀を含むカルシウム誘導体を生成するための方法であって、以下の工程:(a)カルシウム前駆体と銀前駆体を混合し、均一なゾル-ゲル溶液を得る工程;(b) 均一なゾル-ゲル溶液をエージングする工程; および(c) 均一なゾル-ゲル溶液をか焼する工程;を含むプロセスによる方法。
請求項43
工程(a)が、リン前駆体、フッ素前駆体、および/または炭酸前駆体を混合し、均一なゾル-ゲル溶液を得る工程をさらに含む、請求項42に記載の方法。
請求項44
工程(b)が、均一なゾル-ゲル溶液を室温付近でエージングする工程をさらに含む、請求項42または43に記載の方法。
請求項45
工程(c)が、均一なゾル-ゲル溶液を室温より高い温度でか焼する工程をさらに含む、請求項42から44のいずれかに記載の方法。
請求項46
前記カルシウム前駆体がリン酸カルシウムまたは硝酸カルシウムを含む、請求項42から45のいずれかに記載の方法。
請求項47
前記リン酸カルシウムが、ヒドロキシアパタイトおよび/またはリン酸三カルシウムを含む、請求項46に記載の方法。
請求項48
前記銀前駆体が硝酸銀を含み、前記リン前駆体がリン酸二水素アンモニウムを含み、フッ素前駆体がフッ化アンモニウムを含み、および/または炭酸前駆体が炭酸アンモニウムを含む、請求項42から47のいずれかに記載の方法。
請求項49
前記均一なゾル-ゲル溶液が、約0.1質量%から約10質量%、約0.1質量%から約7質量%、約0.1質量%から約5質量%、約0.5質量%から約3質量%、または約0.5質量%から約2質量%の濃度の銀前駆体を含む、請求項42から48のいずれかに記載の方法。
請求項50
前記均一なゾル-ゲル溶液が、約0.001から約0.1M、好ましくは約0.01Mの濃度のフッ素前駆体を含む、請求項43から49のいずれかに記載の方法。
請求項51
前記均一なゾル-ゲル溶液が、約0.004から約0.4M、好ましくは約0.042Mの濃度の炭酸前駆体を含む、請求項43から50のいずれかに記載の方法。
請求項52
請求項1から20のいずれかに記載の医療用インプラントをコートするための方法であって、以下の工程:(a)カルシウム前駆体、銀前駆体、リン前駆体、フッ素前駆体、および/または炭酸前駆体のうちの1つまたは複数を含む均一なゾル-ゲル溶液でインプラントをコートする工程; および(b)薄膜をか焼する工程;を含む方法。
請求項53
前記コートする工程が、浸漬、電着、プラズマスプレー、マグネトロンスパッタリング、ゾル-ゲル、静電気スプレー、および/または他の生体模倣技術のうちの1つまたは複数を含む、請求項52に記載の方法。
請求項54
前記コートする工程が、インプラント上にゾル-ゲル溶液を少なくとも2層形成するために、インプラントの少なくとも2回の浸漬を含み、前記薄膜をか焼する工程が、約50℃から約1000℃、約100℃から約400℃、約150℃から約250℃、または約210℃で、約2分から約1時間、約10分から約30分、約15分の間、空気中で、浸漬の間の熱処理を含む、請求項52または53に記載の方法。
請求項55
前記薄膜をか焼する工程が、約400℃の温度で、空気中で、約30分間の最終の熱処理を含む、請求項52から54のいずれかに記載の方法。
請求項56
コーティングが、コーティング内に銀の濃度勾配を有し、前記コーティングは外部のコーティング表面において高い銀濃度を有し、前記コーティングは内部表面において低い銀濃度を有し、高い銀濃度はインプラントを高い銀濃度を有するゾル-ゲル溶液でコートすることによって達成され、低い銀濃度はインプラントを低い銀濃度を有するゾル-ゲル溶液でコートすることによって達成される、請求項52から55のいずれかに記載の方法。
請求項57
薄膜コーティングの最外部表面における銀濃度が、約2質量%から約10質量%、約2質量%から約7質量%、約2質量%から約5質量%、約2質量%である、請求項56に記載の方法。
請求項58
最内部表面における銀濃度が、約0.1質量%から約2質量%未満、約0.1質量%から約1質量%、約0.4質量%である、請求項56または57に記載の方法。
請求項59
前記コートする工程が、単一の均一な銀濃度を有する2層の薄膜コーティングを得るために、インプラントのゾル-ゲル溶液への少なくとも2回の浸漬を含み、単一の均一な銀濃度が、約0.4質量%または約2質量%のどちらかであってもよい、請求項52から55のいずれかに記載の方法。
請求項60
前記外部のコーティング表面における増加した銀イオン放出が、最後にインプラントをフッ化銀または硝酸銀溶液中に、室温で、例えば約24時間の間、浸漬することによって達成される、請求項56から58のいずれかに記載の方法。
請求項61
前記方法が、さらに以下の工程:(c) 少なくとも1つの鎮痛剤を液体中に溶解して、均一な溶液を形成する工程;(d) コートされたインプラントを均一な溶液でコートして、鎮痛抗菌インプラントを形成する工程; および(e) 鎮痛抗菌インプラントを空気中で乾燥する工程;を含む、請求項52から60のいずれかに記載の方法。
請求項62
前記鎮痛剤が、以下の麻薬性鎮痛剤:オピオイド、モルヒネ、コデイン、オキシコドン(ペルコダン)、レボルファノール(レボドロモラン)、プロポキシフェン(ダルボン)、ならびにペンタゾシン(タルウィン); および/またはアセチルサリチル酸(アスピリン)、フェニルブタゾン(ブタゾリジン)、インドメタシン(インドシン)、アセトアミノフェン、ならびにフェナセチンといった非麻薬性鎮痛剤; および/またはブピバカイン(マーカイン、マルカイン、センソルカイン、ならびにビバカイン)といった局所鎮痛剤のうちの1つまたは複数から選択される、請求項61に記載の方法。
請求項63
前記インプラントがそのコーティング内に鎮痛剤濃度の勾配分布を有し、鎮痛剤濃度は、鎮痛剤濃度が低い内部表面より、外部のコーティング表面付近において高い、請求項61または62に記載の方法。
請求項64
前記鎮痛抗菌インプラントが、外部のコーティング表面付近において麻薬性鎮痛剤、および内部表面付近において非麻薬性鎮痛剤を含む、請求項62または63に記載の方法。
請求項65
前記工程(c)が、さらに少なくとも1つの鎮痛剤を液体中に溶解し、均一な溶液を得る工程を含み、均一な溶液は、さらにPLA、PLGA、PGA、PCL、これらの同等物、および/またはこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含み、均一な溶液は、場合によって、さらに硝酸銀、フッ化銀、塩化銀および/またはこれらの組合せといった銀塩を含む、請求項61に記載の方法。
請求項66
前記工程(c)が、さらに少なくとも1つの鎮痛剤を液体中に溶解し、均一な溶液を得る工程を含み、均一な溶液はさらにリン酸カルシウム溶液を含み、溶液は、擬似体液(SBF)、改質された擬似体液、室温でアパタイトコーティングを形成することができるリン酸カルシウム溶液、および硝酸銀、フッ化銀、塩化銀ならびにこれらの組合せといった銀塩のうちのいずれか1つまたは複数を含む、請求項61または65に記載の方法。
請求項67
少なくとも1つの表面およびその上のコーティングを有する医療用インプラントであって、前記コーティングが1つまたは複数の層を含み、それぞれの層の界面における結合の強さが、インプラントとコーティングの界面からの距離で低下する、医療用インプラント。
請求項68
少なくとも1つの表面および前記少なくとも1つの表面を少なくとも部分的に被覆するコーティングを有する医療デバイスであって、コーティングが、コーティング内のそれぞれの薬剤の溶出速度を制御されるように作られる、医療デバイス。
請求項69
外科的処置後の、リスクを低減するまたは感染症を防ぐ方法であって、前記方法は、外科的処置の完了時に、インプラントがin situで処置の場所に保たれる外科的処置の間に、請求項1から20のいずれかに記載の医療用インプラントを利用することを含む、方法。
請求項70
外科的処置後に、感染症の低減または予防のための、請求項1から20のいずれかに記載のインプラントの使用。
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